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突然の辞令 …4
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「僕がいない間、父が何か余計な事を言ってくるかもしれない。……けれど、聞いてはダメだ。僕は、父の言いなりになるつもりは無い。他の誰とも婚約するつもりはないよ。例え離れても、僕にはルゥだけだから。父が何をしようとも、僕はお前を離さないから」
「ア、ル……」
アルフレッドの物言いで、ルシエルはグラシアン陛下が自分達の関係をよく思っていない事に気付いた。
ミシェルとの婚約を解消したという事は、アルフレッドが別の誰かと婚約する事ができるという事だ。
と言うか、婚約させる気なのかもしれない。
アルフレッドに新しい婚約者を当てがって、自分達を別れさせるつもりなのだろう。
数珠つなぎで、今回の留学も仕組まれたものだとルシエルは思った。
それこそ、自分達を別れさせるために。
それに気付いたルシエルは、昨夜の事を思い出して……泣きそうになった。
昨夜、ルシエルの自室に突然父と母が揃って訪れた。
父が「私達は、ルシエルに何かを無理強いする事はない。それは覚えておいてほしい」と来て早々に言ったのだ。
甘やかされて育てられた事に自覚のあるルシエルは、何を今更と思ったが、その後の両親の言葉は驚くようなものだった。
「家督を継ぐことも然り、だ。無理にルシエルが継ぐ必要はないぞ?」
「えぇ。あなたの人生はあなたの物だわ。ルシエルが望む道を進んでちょうだい?私達はそれを全力で応援するわ」
二人はそう言って、ルシエルの返事も待たずに去って行った。
二人が消えたドアを見ながら、突然どうしたのだろうかとルシエルは考えたが、あの時の言葉の意味が、今なら分かる。
簡単に言えば、無理に誰かと結婚しなくても良い……好きに生きろ、という事だなのだろう。
つまりルシエルの両親は、アルフレッドの事を知っていて応援してくれているのだと、ルシエルは理解した。
そんな今世の自分の家族は特殊なのだ。
だから、忘れていた。
同性婚が認められないような世では、前世の家族やアルフレッドの家族のような反応が普通なのだ。
しかし、その世間の厳しさの中に、こうして身近な人達が応援してくれている。
何より一番大事な人が「離さない」と言ってくれる。
それが例え『今』だけの言葉だとしても。
(僕はなんて恵まれていて、幸せ者なんだろう)
今後何があろうとも今の幸せを忘れずにいよう、とルシエルは思った。
グッと涙をこらえて、アルフレッドの瞳を見つめる。
「僕の心は、常にアルのものだから」
(例え、アルフレッド様の心が離れることがあっても)
「うん……」
一瞬、アルフレッドが泣きそうな顔をした気がしたけれど、ルシエルはそれを確認することは出来なかった。
確認出来ないほどに二人の距離が近付いたからである。
お互いの唇が何度も何度も重ねられた。
たまにアルフレッドが顔を上げて、ルシエルの顔を見つめる。
そしてフッと笑っては唇を落とす。
そんな事を繰り返していたら、どちらからともなく笑いが漏れて来て、じゃれ合う様なキスに変わっていった。
明日離れ離れになる事を考えたら泣きそうになるので、必死にそれを考えないようにと、ルシエルは意識した。
「あ……っ」
不意に、アルフレッドがルシエルの股間に、グリッと自らのモノを押し付けた。
明らかに意志を持った硬さのそれを擦り付けられて、ルシエルの口から笑いとは違うトーンの声が漏れた。
同時に、ルシエルのモノもピクリと反応する。
それに気付いたアルフレッドは、ルシエルを抱きしめたまま身体を起こした。
「一緒に湯浴みしようか」
「……へ?」
「身体、ベタベタだろう?洗ってやるから」
「えっ?」
ルシエルは抱き抱えられて、隣の浴室に連れて行かれた。
狭いながらも浴槽と洗い場のある浴室で、いつの間にかお湯も張られていて、ルシエルは驚いた。
洗い場にあった小さな椅子に座らされたルシエルは、手桶でザバンとお湯をかけられる。
アルフレッドも自らお湯をかぶって白濁を流す。
水の滴るアルフレッドを見て、ルシエルは自分が真っ赤になっているであろう事に気付き必死で顔を背けた。
鍛えられた均等な身体や……上を向いたアルフレッドの中心を、改めて眺めてしまったからである。
アルフレッドが素早く手で石鹸を泡立てて、ルシエルの背中を撫でた。
「ひゃ!じ、自分で出来ますっ!」
ルシエルが慌てて立ち上がろうとするのを、アルフレッドは拒んだ。
「ダーメ。僕がやりたいんだから。ルゥは座ってなさい」
そうピシャリと言われてしまっては、ルシエルも逆らいにくい。
ヌルヌルとアルフレッドの手が全身を這っていくのを、ルシエルは拷問のように耐えた。
身体を洗っているだけなのに声が出て漏れそうになって、ルシエルは必死でそれを我慢する。
「ふ、っ……ん」
それに気付いたアルフレッドが、別の意思を持って手を動かし始めた。
「あっ!……んん、ん」
後ろから両方の乳首をクリクリと洗われる。
「やっ!なんで、ソコ……っ!」
「僕がさっき舐めたから?綺麗にしなきゃ」
ジンジンと快感が下腹部へと集まっていく感覚に気を取られていたら、ぬるりとペニスを握られた。
「あぁ!ンッ!……ちょっ!」
「ここも、綺麗にしなきゃ」
ゴシゴシと竿を扱かれる、いや、洗われる。
「じ、ぁ……ッッ、自分でっ、出来るもン!」
「だーめ」
力ではアルフレッドに敵わないルシエルは、涙目になりながら声が漏れるのを必死に耐えた。
「あ、っ!」
快感に弱い自分を責めたくなるルシエルであった。
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