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Number:4
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英二郎を揺さぶってみるが、起きる気配はない。
「父さん…父さん!しっかりしてください!」
あわあわと何か使えるものはないかと周りを見渡す。
「安心しろ、睡眠薬を飲ませただけだ。」
背後から聞こえた知らない声に振り向くと、黒い服を着た男が立っていた。
「…誰だ。」
あまりの恐怖で立ち上がれず、震える声で問うと相手はナイフを取り出した。
「…や、やめろ」
固まった体をなんとか動かし、後ずさると相手はじりじりと距離を詰めてきた。
「お前の親父を殺すか、お前を殺すか。どっちがいい?」
「…は…?そんなの…」
内心答えは決まっていた。英二郎がいなくなれば厳しく言われることもない。
だが、心のどこかで家族には死んで欲しくないという感情が芽生えていた。
どんな親でも俺にとっては家族だから。
「俺を殺せ。」
真っ直ぐ相手を見つめて言った。
「…ふーん。じゃあお望み通り殺してやるよ」
相手はニヤリと笑うと早紀の腹部にナイフを刺した。
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