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「久しぶりだな」
隣にいる男は、早紀に親しげに声をかけるとじっと見つめていて。
「いや、誰」
もちろん初対面なので知っているはずもなく、早紀は冷たくそう答えた。
「まぁ覚えてるわけねぇか」
意味深なことを言う男を怪しいと思ったのか、早紀は顔をよく見てみる。
「いや分かんねぇよ!その仮面みたいなの取れ!」
「仮面じゃない、オシャレなマスクだ」
「どっちも同じだよ誰だお前!」
見覚えなどなく、結局誰か分からないままだった。
男は呆れたようにため息をつくと、こう名乗った。
「俺はユウ、とでも言っておこう。マスクは必需品なんだ、悪いが取れないな」
「ユウ……か」
どこか聞き覚えのあるような気がしたが、そんなのはきっと気のせいだと信じて、深く考えない事にした。
「お前がkillersの優秀なメンバーなのか?」
「あぁ、そうだ」
「否定しないんだな…」
とにかく、このユウという男が間違いなく強いことは察しがつく。
立っているだけで異様なオーラを放ち、先ほどのメンバーとは何か違う。
早紀はそんな風に感じていた。
「お前は明坂早紀だな」
「おう、危うく殺さないように気をつけろよ」
などと冗談混じりに言ってみると、ユウはマスク越しに笑っているようだった。
兎にも角にも、早紀と殺し屋の生活が幕を開けたのだった。
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