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綾瀬に手渡された服を広げて見るなり早紀は首を振った。
「あの、無理です」
「え、なんで?」
「だってこんなの男が着るものじゃないですよ…」
綾瀬が手渡した服はそう、ヒラヒラと可愛げのあるレースのワンピースだった。
「誰が着ろって言われてこんなの着るんですか!」
困ったように口を尖らせながら綾瀬は答えた。
「だって君は行方不明なわけでしょ?バレないように外に出るには性別を詐称するのが手っ取り早いじゃん」
「……なるほど。でも…さすがに…」
確かに筋は通っているがやはり着る気にはなれるはずもなく躊躇ってしまう。
「俺すぐ男だってバレますよ…こんなの意味無いんじゃ…」
「いいから着ろ」
突然目にも止まらぬ速さで、どこに忍ばせていたのかナイフを早紀の首に突きつけると綾瀬はそう言った。
「…は、はい。」
この人に逆らったら本当に殺されそうだ、なんて思いつつ渋々服を着た。
「本当に大丈夫ですかね…」
着替え終わり、ついでに貰ったウィッグをつけるとそれなりに美女に変身した。
「あ、全然あり。早紀が女だったら余裕で付き合いたい」
表情一つも変えずに流れるようにコメントを発する綾瀬に、早紀は逆に恐怖を感じたが今はいいか、と思いつつ綾瀬と家を出た。
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