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部屋に煙草の煙が充満する。
「冬夜に行ってこいとか言われたんだろ」
「...あ、...まぁ...」
「場所は綾瀬から聞いたんだろ」
「...知ってたのか。最初から俺が来ること」
「まぁ何となく予想はしてた」
「俺が来る前に殺そうとしてたのか...?」
「その通りだ」
「.........なんで...殺さなきゃいけなかったんだよ...」
話しているうちに早紀の目からは大粒の涙が溢れ出した。
「...俺は、あんたにあんたの大事な人まで殺して欲しくなかった......」
「余計なお世話だ。これは俺が自分で決めてやったことだ」
龍は早紀を引き寄せて抱きしめた。
「お前はもっと自分のことだけ考えてろ。いつ殺されるか分かんねぇんだから」
「...でもっ......でも...」
「うるせぇ。口答えすんな」
言葉ではそう言いつつも優しく頭を撫でる手に、早紀はどこか寂しさを感じた。
「...お前が俺の大事な人になってみせろよ」
いつの間にか眠ってしまった早紀に囁いて額にキスをした。
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