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「......ん」
太陽の光で刺激される目をゆっくりと開けると、目の前には龍がいた。
「うわっ...!」
慌てて離れようとするがすやすやと眠っているようなのでそっとしておくことにした。
昨日の記憶は曖昧で、夢だったのか現実なのかもあやふやだったが龍にここが自分の居場所だと言われたことは確かに覚えていた。
「...ほんとは香織さんがいなくなって寂しかったんだろうな...」
起こさない程度にふわふわとウェーブのかかった髪を優しく撫でてみる。
「お前がその寂しさ埋めてくれんだろ?」
寝た振りをしていたのか唐突に龍は声をかける。
「...起きてたのかよ...!」
少し恥ずかしくなって目をそらすと、その隙を狙っていたかのように唇が触れた。
「...ん、...っ」
触れるだけのキスに不思議と物足りなさを感じつつも、早紀は立ち上がりリビングへ向かおうとした。
「今ので満足?」
「う、うるさいな...!」
龍のペースにはできるだけ飲まれたくないが為に、ふいっとそっぽを向くと急ぎ足で部屋を出た。
「あ、早紀おはよ〜」
「おはようございます…」
リビングには珍しく冬夜の姿はなく、綾瀬が1人ソファに座っているだけだった。
「冬夜さん今日はいないんですね?」
「まぁーね。ちょっと厄介なことが起こったみたいで、」
「厄介なこと?」
綾瀬は頷くと、何も言わずにTV画面を指さした。
『現在、明坂社長の会見を生中継でお伝え致しております。』
「...父さん...?」
何となくだが、嫌な予感がした。
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