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翌日、龍は学校に来なくなった。
昨日の嫌な予感はほぼ的中と言っていいだろう。
「あれ、霜暗いないとか珍しくね?松居、あいつどうしたの?」
「...俺も知らねえんだ」
学校だけはちゃんと来ていた龍が連絡も無しに欠席をするのはおかしい。
そう思った冬夜は放課後、急いで龍の家へと向かった。
ピンポーン
インターホンを鳴らすが出る気配がない。
「くそっ...何やってんだよ...」
もしかしたら家出でもしたのかもしれない。
冬夜は龍が向かいそうな場所を片っ端から探した。
しかし、どこにも龍はいなかった。
気づけば辺りは真っ暗になっていた。
「...どこ行ったんだよ。ふざけやがって...」
とぼとぼと路地を歩いていると、異臭が鼻をついた。
嗅いだことの無い鉄のような臭い。
恐る恐る臭いの元へと歩いてみる。
その先にいたのは、首を切られた男と冬夜がよく知っている男だった。
「龍......?」
「言っただろ。俺に関わらない方がいいって」
「は、はは...変な冗談やめろよ...お前もこんな手の込んだドッキリすんだな...」
龍が1歩、2歩、近づいてくる。
血のついた手をこちらに伸ばしてくる。
恐怖で今にも逃げ出したい。だが、ここで逃げれば龍を見捨てることになる。
本当は優しい龍が訳もなく人を殺すはずがない。
冬夜の理性が体を踏みとどまらせる。
「何で逃げねぇんだよ」
龍の手が、血が、冬夜の頬に触れた。
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