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零れる
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僕は…会いたくなかった……。
藍原さんが、少し体をはなして驚いて見つめてきた。
「……僕は……普通のオメガじゃないんです…。」
声が震える。だめ。しっかり伝えなきゃ。
藍原さんを困らせちゃう、
「…どういうことだ?」
「……ぼ、くは……ベータだったんです。…でも、この前……藍原さんと出会う少し前…、バース判定をしに行ったんです…。……僕のバース判定は………オメガ…でした。
……お伽話だと思っていましたよ。……そんなの、現実ではありえないと思いました。……けどっ、…っ…バース判定は…100%の確率で当たるんです…っ!…
……しかも、僕のように突然変異をしたオメガは…、普通のオメガではないんです…っ。子を孕むことが難しく、一際強い匂いを発するんです。
僕みたいな、ベータにもオメガにもなれない出来損ないのオメガは……あなたみたいなエリートアルファには……釣り合いっこない。…不幸にさせる…。
……だから、あなたには…会いたくないんです…虚しくなるんです。……心が…っ、痛くなるんです…っ!
……僕は1人は慣れっこですっ……生まれてからずっと1人だった…っ!!!……今更、寂しいもないはずなのに………何故か、心が満たされないんです…っ。何かを本能的に望んでるんです………。」
「………俺も……いらない……いらなかった。……凛月が現れるまでは、恋愛など全くしてなかった…。けれど、凛月に会った瞬間、……凛月を欲していた…。凛月がいなくなってからずっと心に穴が空いていた。」
いやだ。だめ……、受け入れてしまう…。
「………その穴を埋められるのは…凛月、お前しかいないって気づいたんだ。特別なオメガ…出来損ないのオメガ…関係ない。俺は……凛月、お前自身に惚れた。
橘 凛月という存在に惹かれたんだ。……」
だめ。ダメ。僕は藍原さんを…不幸にする。……
………好きだ。……愛してる。………」
ドキッ…
ーーーーーーーーーーーー自らの道を示しなさい。
あなたの本当の大切な人を導きなさい
あの、夢が頭をよぎる…。
僕は、藍原さんの………光になりたい。
「……僕も………好きになっても……いいですか………?」
ギュッ
「いいに決まってるだろ…。」
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