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命令だよ・・・・
この言葉は魔法の言葉だと思う。
逆らえるものが逆らえなくなる、自分の首に見えない首輪が閉められた感じだ。
だけど、イヤな感じはしない・・・
あれから、先生はキッチンにいた店長と話をして今日で辞めること、今から帰らせることを強引に話を進めていた
店長の言葉を待たずに、そのままロッカーの荷物を持って外に出されると、ここで待つよう言われ自分は店の中へと戻っていった。
川の流れのように、この流れはあっというの出来事だった
( 俺、この店辞めたんだ…… )
急すぎてまだ、頭がついてこない
すぐに先生は自分の荷物を持って外に出てきた。
「 大通りに出ればタクシーつかまるから少し歩くぞ 」
言い終わる前から通りに向かって歩く先生声後ろを追いかける。何か言わなければ……
「 あ、あの…… 本当ですか? 」
「 あ? 」
俺の意味の分からない言葉に、歩く足が止まり振り返る
「 あ、その…… 先生の家…… に行く…… 」
「 あー。 命令だよ 」
命令・・・その言葉。
先生の目がギラギラして口の端が上がっていた。
俺はやっぱり首を縦にふり、そのまま無言で先生の後をついて行った。
タクシーの中で携帯出せと言われ、素直に渡す。慣れた手つきで電話を掛け始めた
「 もしもし、夜分遅くに申し訳ありません。私、鳳学園教師の西園寺と申します。波瑠さんの事で、えっ?あ、違います。実はですね・・・ 」
先生が電話をかける仕草、横顔をジッと眺めていた。
( 綺麗な横顔…… あっこの声、学校で授業中に聞く声の高さだ。あれ? 先生って俺の下の名前知ってたんだ。 )
クラスの担任ではないから、覚えられてないと思っていた
そんな事を考えていたら、目の前にスマホが戻ってきた
先生の顔を見ればホレと渡される。
もしもしと話をすれば、母ちゃんだった。
『 波瑠、良い先生に巡り会えて良かったね。それで… 』
色々と話をしてるようだが、それを黙って聞いていた。
『 頑張るんだよ 』そう言って電話は切れた。
その後は、お互い無言のままエンジンの音とくるまの揺れが俺の子守唄になった。
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