アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1.
-
「でっけぇ…」
目の前に立ちはだかる約3mはあろうかという大きな門を見上げ、奏汰はどこか遠い目でそう呟いた。
門の隙間から見える中の様子に、ここが今日から過ごしていく学舎兼自宅なのかと思うと少し圧倒される。
門から続く道の両側には鬱蒼と生い茂る森があり、遠くの方には噴水が見える。
更にその奥には校舎だと思われる白亜の建造物も見える。
…ここは城か何かなのだろうか。
少なくとも学校ではない。はずだ。
来る場所を間違えたかもしれないと思い直し、数歩下がって門の両側を確認したが、黒いプレートに金色の文字でばっちり"私立華扇学園"と書いてあった。
なんかすごい学園だと聞いてはいたが、これ程までとは…。
改めてここでこれから過ごしていくのだと再確認してしまった奏汰は、とりあえず門の隣にちょこんとあったインターフォンを鳴らした。
『はい、どちら様でしょうか』
「今日から編入してきた早乙女 奏汰です」
『ああ、それなら迎えの者が今そちらに向かっていると思うので、そこでもう少々お待ちください』
「あー…はい、わかりました」
そこで途切れた会話に、ひとまず胸をなで下ろし門に背を預けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 34