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27.
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「じゃー早乙女は…」
「はいはーい!先生!僕の横空いてまーす!」
「んじゃ、早乙女はそこな」
音が手を振って自分の横の席を指した。窓から2列目の1番後ろの席。
窓際がよかったけど、そこは埋まってる。残念…。
まぁ、音が隣だし、いっか。
席と席の間を通って空席まで向かう。途中で向けられる視線が煩わしかったけど、気にしないふりをした。
「わーい!隣だね、奏汰っ!」
「ん。…でも僕、窓際がよかった。日差しがぽかぽかで、暖かそう…」
「あはは、ごめんな。ここは俺の席だから」
ふとかけられた声に音源の方を向くと、いわゆる爽やかイケメン?ってやつがこちらを見ていた。
「えっと……」
「ああ、名乗ってなかった。俺は峰塚 洸。よろしく奏汰」
「…よろしく、峰塚」
ぎこちなくそう呼ぶと、峰塚はくしゃ、と笑った。
「長くて言いづらいだろ。洸でいーよ」
「じゃあ遠慮なく」
「ちょっとー!2人とも僕のこと忘れないでよっ」
「自己紹介しただけだろ」
ふくれっ面の音に洸が冷静に突っ込んだ。
「もうっ、2人して酷いんだからー!イチャつくなら僕の見えるとこでしてよねっ!奏汰が壁になって見えないじゃん!」
「だから自己紹介しただけだろ」
洸…音の扱いに慣れてる。すごい。
─キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム」
「1限、なに?」
「数Ⅰ」
「教科書ない…」
「あ、部屋に届いてたよー」
「………」
早く言えよ、音…。
「…俺の見るか?」
「んー、いい。寝る。おやすみ…」
初日くらい、いいよね。
「おい奏汰、初日からそんなんでいいのか…」
「すー…すー…」
「って早いな、おい」
△▽△▽△▽
「ふ、ぁ……」
「あ、奏汰起きたー」
「昼飯行こうぜ」
「…ん。」
………………………ひる。ひる?めし?
「え、今何時…」
「もう4限終わったよ〜」
「気持ちよさそうに寝てたな」
Oh.....
完全にやった………。まあ、教科書なかったし、仕方ない。うん。それに、
「…まぁ、うん。よく寝られた」
「クラスのチワワたちが写真撮ってたよ〜。ちなみに、僕もね!」
「えー……」
「ついでに俺も」
「えー……」
「そんなことより!早くご飯いこ!お腹空いた〜」
「………」
盗撮がそんなこと、で済むと思っているらしい音の頭のてっぺんにチョップをお見舞してやった。
「いったー!!」
「ほら、行こ。お腹空いた」
「くそう…」
「ウケる…っふ、くく…、っ」
何気に洸が1番酷いと思う、僕。
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