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太宰×乱歩(r15)
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「あれ…今、何時?」
ふと目を覚ますと、そこは「うずまき」探偵社と同じビル内にある喫茶店だった。
「もう2時ですよ。」
独り言のように、誰にとも分からず時間を問いたが、自分が思っていたよりも大きな声が出ていたのか、カウンターの中でコーヒーカップを拭いているマスターが、静かに今の時刻を教えてくれた。
「あぁ…ありがとう。マスター」
「………。」
マスターは声を出さず、カウンター内で静かに頷く。
それはそうと……
「もう2時か……」
ポツリと呟く。
昼食をとって直ぐに事務所へ戻るつもりだったのが、ちょっとばかし居眠りをしてしまったらしい。
(国木田君に怒られるかも……)
太宰は、そんな予感に背筋を縮めながら、テーブルを片付けていた店員に「あ、今回のお会計ツケておいて。」と、声をかけ、うずまきを後にした。
太宰side
ガチャ
「お疲れ様でーすって、…あれ?」
てっきり国木田くんの怒号が飛んでくると思ったのに……
「だーれもいないんですかーあ?」
つまんないなあ……
もう一回喫茶店でうたた寝でもしようか…
そんな考えが頭をよぎった時……
「あれ?乱歩さん…」
一人、机に腕を組み、頭を伏せて寝ている乱歩さんを見つけた。
「らーんぽさん?こんなところで寝てると風邪引いちゃいますよー?」
横から顔を覗き込む。
が
「………よく寝てるなぁ…………」
無反応……。
と、そこで気づいた。
……今まで、ここまで乱歩さんに近付けたことはない。
…こんなに静かな乱歩さんも珍しいな…。
そう思い、顔を眺める。
「………キレイな顔してるなあ…」
この人が自分より年上と知って驚かない人がいるだろうか。
長いまつげに幼さの残る整った顔つき。
そして、微かに呼吸に合わせて動く
………唇。
顔を上げ辺りを見回す。
人が帰ってくる気配は…ない。
あぁ、こういうのを魔が差したっていうんだろうな。
乱歩さんに向き直り
ゆっくり、ゆっくり顔を近づけていく。
チュ…
…柔らかい感触。
駄菓子を食べたのか、少し甘い。
顔をゆっくり離していく。
そういえば、乱歩さんって社長と仲が良いよなぁ…
見つかったら…クビ、かな?
……なんつって
「このことは、秘密ですよ。」
太宰は乱歩の耳元でそっと囁いた。
「さて、また、喫茶店でのんびりしますかー」
乱歩side
チーーン
ドアの向こうで、エレベーターがこの階に誰かを運んできたという合図を鳴らした。
(誰だろ…みんなが帰ってきたのかな…)
眠い頭でボーッと考えていると
ガチャ
誰かが入ってきた。
「お疲れ様でーす!…って、あれ?」
(……………太宰か。無視しよう。)
じっとしていると、太宰がこちらへ向かってくる足音が聞こえてきた。
「らーんぽさん?こんなところで寝てると風邪引いちゃいますよー?」
近くで声がする。
(うっさいなあ…寝かせてよ…)
ウザイので無視。
「………よく寝てるなぁ…………」
いや、起きてるけどね、
口には出さない。
「キレイな顔してるなあ…」
!?
は?自分より年上の男に何を言ってるんだこいつは。
どんな流れでそんな考えに至るんだ…。
太宰の思考はたまに読めなくなる…。
もう目を開けてしまおうか。
そう考えた瞬間…
唇に柔らかい感覚。
は、一寸待って…え?今……
ーーー太宰に、接吻されてる!?
え、呼吸、呼吸ってどうするんだこれ!
混乱しているうちに、スッと離れていく唇。
そして………
「このことは、秘密ですよ。」
耳元で囁かれた。
秘密もなにも…
男に…ましてや太宰に接吻されたとか死んでも言う気はないけど……。
…………顔が熱いのは、きっと気のせいだ。
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