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中也×乱歩(r18)
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横浜の薄暗い路地裏。
夜は誰も寄り付かない、此の不気味な場所を静かに進む黒い影。
名を 中原 中也。
ポートマフィアの五大幹部の一人であり、重力操作の異能[汚れちまった悲しみに]を持つ。
彼…中也は、任務を終え 帰宅するべく できるだけ人の目に付かない薄暗い路地裏を歩いていた。
タッタッタッタッ………
静かな路地裏に響く足音。
中也はそれに気が付いた。
丁度目の前はL字路なのに加え、狭い道なので、前から来る人物と顔を合わせずは居られない。
此処で変に頭をを下げ、顔を隠したところたところで、益々相手の印象に残ってしまうことを中也は知っている。
(自然にしてれば大丈夫か……帽子もあるし…
それに俺の顔なんざ知ってる奴なんてそう多くねェだろ。)
タッタッタッタッ……
段々と近付いてくる足音。
中也は、自然に歩くことに努めた。
のだが…
バンッ!!!
「わぁ!?」 「なっ!?」
曲がって来た…少年とぶつかってしまった。
「いったいなぁ~…ってあぁ!!
社長から貰った眼鏡…………!」
ぶつかった時に落ちてしまったのだろう。
急いで道に落ちた眼鏡に駆け寄る少年。
中也は、その人物に見覚えがあった。
「あ~…良かった…なんともないや…全く!僕の私物に傷でも付いたら…ってあれ?君何処かで…………」
「手前は…探偵社の………」
中也がその名を思い出すべく黙っていると、「なぁんだ…僕の名前忘れちゃったのぉ?しょーがないなぁ!」と、少年は勢いよく立ち上がり、帽子を整え、胸を張って言った。
「自己紹介は一回しかしないからね!よーく聞いてよね!僕の名前は江戸川乱歩!武装探偵社…いや、日本きっての名探偵さ!」
(あぁ…………。江戸川、か。)
中也は組合<ギルド>戦の際、防犯カメラ越しで一度だけ、乱歩と話したことがあった。
そこで、ふと中也は考える。
(江戸川は、此の路地で俺に会った事を探偵社の奴らに話すだろうか。
そうなると…あの青鯖にも伝わる……?)
中也は、この路地をよく使う。
青鯖…太宰なら此の路地が帰り道だと知っただけで間違いなく中也の家を突き止め、嫌がらせの限りを尽くすだろう。
「なぁ…江戸川…………」
「いいよ。」
中也が用件を言う前に、乱歩は返事をした。
「君、今 僕と此の路地で会ったことを口止めしようとしたんでしょう?
まぁそうだよね。此処で僕が君と会ったことを探偵社で話せば、太宰にも伝わる。
そうなれば君は太宰に家を突き止められ、嫌がらせの限りを尽くされる…ってね。
名探偵にかかれば君の思考なんて筒抜け当然だよ!」
中也はまた考える。
そして、口に出した。
「要求は?」
今は休戦しているものの、探偵社の社員が無償でこんなオイシイ情報を自分の胸の内へ留めておくとは考え難い。
乱歩は、その問に口角を上げた。
「今からある場所に一緒に行ってもらう。
詳しくは其処で話すよ。」
そう言って乱歩は中也に背を向け、薄暗い路地を歩き始める。
中也は、何も言わずにその後へ続いた。
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