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(続)
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乱歩は再度「お邪魔しまーす」と誰もいない部屋へ言い放ち、中也の部屋の玄関を潜った。
中也は、頭の痛みを感じながら どうやって乱歩を追い返すかを考え乍ら、その後に続いた。
乱歩は部屋に入ると、迷う事なくリビングへ向かい、テレビを付けると 自分の家へ帰ってきたかの様にソファに座って寛ぎ始めた。
「……………今更何も言わねェが……
風呂入って来るから部屋漁ったりとかするんじゃねぇぞ………」
中也がぐったりした様子で告げると、乱歩はテレビから目を離さぬまま「はいはーい…いってらっしゃーい」とだけ言い、食い入る様にニュースを見ていた。
数十分後………
「あ?何処行きやがった …アイツ…」
風呂から上がり、リビングへ戻ってきてみると、其処はもぬけの殻だった。
ご丁寧にテレビは消され、ソファのクッションまで整えられている。
中也は、キッチン、トイレ、別室を探したが、何処にも乱歩の姿は見当たらない。
そして、残るは寝室だけとなった。
しかし、中也の寝室のドアには 鍵がある。
中也は、仕事道具や書類、帽子等、大切な物は鍵が付いている寝室に保管していた。
自分の留守中に泥棒に入られても大丈夫な様に、普段 鍵はキッチンの目立たない引き出しに隠している。
中也は、キッチンへ向かうと、鍵が入っている引き出しを開け、目を疑った。
(鍵が……………無ぇ!!!!)
気付くと、中也は寝室へ向かって走っていた。そう遠くもない距離を、全力で。
中也は、数秒もしない内に寝室へ辿り着くとドアを開け放った。
其処で中也の目に飛び込んで来たのは…………
「うっさいなぁ……おっきな音出してどうしたの?」
自分のベッドから眠そうに起き上がる乱歩の姿だった。
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