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(続)
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中也は、静かにベッドへ近付くと 乱歩と視線を交わらせ「……何が目的だ。」と言う。
乱歩は、顔から笑みを消し「目的…って言われてもなぁ………ていうか、怒ってる?」と言い乍ら中也へ向き、中也の目を見つめ返すと ゆっくり話した。
「僕はね、此処にあるマフィアの資料だとか、君のコレクション…素敵帽子には毛程もサッパリ全く興味がない。
僕が興味を持っているのは……………
君だけだよ。」
それを言い放った乱歩の目 それは、真実を言う人間の持つ 真剣な眼差しだった。
その言葉と表情に中也は眉間の皺を深くした。
乱歩の言葉は二つの意味に受け取れるからだ。
ポートマフィアの幹部である中原中也に興味があるのか、単純に中原中也という人間に興味があるのか…。
其処まで考えて、中也はふっと息を吐き出した。
(後者は…ないか。)
そんな中也に、乱歩は言う。
「今、君が消した選択肢が僕の言ったことの意味だよ。」
「はァ…?」
中也は益々頭を悩ませる。
何故、探偵社の乱歩がポートマフィアの幹部という事以外に中原中也という人間に興味を持っているのか………。
中也は暫く考えるが、いくら頭を悩ませ考えても疑問の答えは頭に浮かんでこない。
乱歩は、いつか中也がその疑問を自分に問いかけてくるだろうと、頭を悩ませる中也を見つめていたが、やがて溜息混じりに言った。
「君は、人に好意を持つときにそんなに頭を悩ませてその理由を探すの?」
中也が顔を上げ乱歩を見る。
二人の視線が交じり合うと同時に、乱歩は中也の腕を掴み自分へ手繰り寄せた。
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