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(続)
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乱歩は恥じる様に足を擦り合わせるが、その行動、仕草一つ一つが中也の興奮を高めている事には気付いていない。
あるいは…………。
「ねぇ…………」
中也が乱歩の服を床に投げた時、乱歩が唐突に口を開いた。
「なんだ?怖気づいたか?」
中也が言うと、乱歩は横に首を振り言った。
「君って、僕が思ってるより…ずっと変態だったり……んぅ…」
中也は、乱歩がそれを言い終わらないうちに接吻で妨げる。
そして、唇を離すと乱歩の耳に顔を近づけ 言った。
「それは、今俺が答えなくても直ぐに手前自身が思い知ることになる…………それに……」
中也が乱歩のモノを軽く扱く。
「っぁ…ちょ、まっ……ぅやっ…」
「仮に俺が変態だったとしたら、そんな俺でこんなになってる手前はとんだド変態だなァ…?」
「っひぁ…………はげ、しぃ…まって……ぇ…っふ
……っっスッットップ!!」
乱歩が中也の腕を掴んだ。
「……なんだよ…」
明らかに顔を顰める中也。
乱歩は、そんな中也の目をしっかりと、涙の浮かぶ目で見つめ返すと 顔を真っ赤にして言った。
「……………………手なんかで、イきたくない……」
「…っは…?」
顰め面から一転、中也の表情は 驚いたようなものへと変わった。
乱歩は、先刻の言葉を口から出した事に照れているのか顔を背ける。
(嗚呼………本っ当に此奴は…ッ)
中也は、熱くなった顔を隠すように再度、乱歩へ荒々しい接吻をした。
「んぅ……んぅ!」
程なくして 乱歩が苦しい、と中也の背中を叩く。
が、中也は、接吻をやめない。
「んぅ!っは…んぅ!!」
中也の背中を叩く乱歩の手が強くなる。
すると、中也は名残惜しそうにゆっくり唇を離した。
「……君の肺活量と……一般人の…肺活量の差は………舐めちゃいけないよ…………」
酸素を求め途切れ途切れに乱歩が言う。
中也は着ていたスウェットに手を掛けながら「そうか……?」と不思議そうな顔をした。
そんな中也に乱歩は いつか君、人殺すよ……と言おうとした。
が、言葉を飲み込んだ。
既に何人も殺しているのだ。
中也は。
慈悲の心や罪悪感の無い人間なんて存在しない。
それが今までの人生を過ごした乱歩の自論であった。
それは、中也も例外ではないと乱歩は考える。
(コウイウコトをしている時まで理屈っぽい思考は僕の頭から離れない…のか…)
乱歩は内心自分に呆れた。
何時も乱歩の頭には自分でも気が狂いそうな程に多くの情報が流れ、ぶつかり合っている。
しかし…乱歩は見つけたのだ。
そのごちゃごちゃした頭を一瞬にして空っぽにするその声を。
自分だけに向けられたその欲望を。
「ねぇ……素敵帽子君…僕を、空っぽにして?」
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