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すれ違い
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「ただいま」
玄関の方で聞こえた声。
俺は身体が怠くて、とてもじゃないけど起き上がれなかった。
「……カイト、居ないのか?」
問いかけの後、リビングの電気が付いて足音が聞こえてきた。
ガチャ。
扉がゆっくりと開いた音。
俺は、ベッドに深く沈む。
大好きなマスター。
恋しかったマスター。
そんな人がすぐ後ろに居るのに、俺は振り返らなかった。
だって、身体が重いから。
何よりも眠いし……。
もういいや。
パタン。
と、扉が閉まった。
寝ていると思われたらしく、マスターは無言で出て行ってしまった。
どうしようもなく、ただただ呆れた様な、
疲れたため息だけが俺の口から漏れた。
それは、自分へのものだったけど……
俺は頭がぼーっとして…よく分からなかった。
次の日、俺が目を覚ましたときには、もうマスターは仕事に行った後だった。
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