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気付かない症状
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アレから3日経った……のに。
おはようとか、今日は晴れだねとか、そのぐらいの言葉しか交わしていない。
俺は何か言おうとするのだけれど、意思とは関係無しに口を噤んでしまう。
「いってきます」
マスターの声が聞こえて玄関に行くけれど、何を言って良いか分からなくなって……
小さく手を振って、微笑みを浮かべる。
そんな俺を、マスターは気にも止めずに仕事に行ってしまった。
「…………はぁ…」
何だか身体が重くて、時折とてつもない熱さに襲われて。
風邪でも引いたのだろうか。
そもそも、機械の俺が風邪なんて引くのだろうか。
まぁ……今日も安静にしていれば、そのうち治るだろう。
また布団に潜り込んで、大きく深呼吸する。
「マスター……」
そう呟いた言葉は、小さな寝息となって消えていった。
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