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エピローグ
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「〜〜♪」
心地よい風のような主旋律に、思わず頬が綻ぶ。
「今度の曲、いつもと雰囲気が違くて……新鮮ですね」
「あぁ、今回は趣向を変えてみたんだが……」
「俺、この曲大好きです」
いっぱいの笑顔を向けると、マスターも笑い返してくれた。
「はぁ…もう大スターになっちゃいましたね……」
「なっちゃったってどういう意味だ。お前は嬉しくないのか?」
「嬉しいですよ!……でも…」
「でも…なんだよ」
皆のマスターじゃ嫌だ、なんて言ったら笑われるのだろうか。
俺だけの、マスターがいい。
けど、それは俺のわがままだし……。
好きなことに打ち込んでるマスターは楽しそうだし、何よりかっこいいから、邪魔はしたくない。
「ほら…すぐそうやって1人で考え込んで……おいで、カイト」
くしゃっと前髪を撫でられて、顔を覗き込まれては、何も言えない。
「俺がこっちで活動できんのも、お前がいたおかげだろ?……これは2人で喜ぶもんだろ。お前と俺の成果なんだから」
「……マスタ〜…」
ぐずる俺にマスターはよしよしと頭を撫で続けてくれる。
「ほら、泣くなよ。何考えてるのかは知らないけど……俺はお前のマスターである以前に、家族だし、恋人だろ?」
「〜〜はいっ……幸宏さん…」
俺のマスターは、会社員として働く傍ら作曲をしている。
出会ったときは、元気がなくて……励まそうと精一杯だったけど、何処かで逆転してしまった気がする。
それでも、マスターは今も昔も、俺の自慢のパートナーだ。
-end-
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