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口を見て
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「何かありました?マスター」
「いや……なんでも」
「彼女にフラれましたか?」
「うるせーな」
しょげていた俺を励ましているのか、けなしているのか。
本当は彼女でもなんでもなくて、バンドのことだけど。
「俺、男だし……機械だからマスターのこと癒せないけど、でも、マスターが落ち込んでるの、俺も悲しい」
少々文脈がおかしいのは、人工知能の性能のせいなのか。
カイトの性格の問題なのか。
「疲れてるだけだろ、別に。あんま絡むと八つ当たりすんぞ」
冗談めかした言葉に、カイトが真剣な顔をした。
な、え?
どうしたんだよ、いきなり……。
嘘だよ、嘘。
黒滝が、そう弁解しようとした、瞬間。
「マスター、俺の口、見て?」
くあっと開いたリアル過ぎる口に、目を奪われる。
それは人間の口そのものように真っ赤で、中はねっとりとした水分で満たされていた。
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