アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2ー13
-
鈴木side
俺は、腕の中で眠ってしまった山本をソファに寝かして毛布をかけてやった。
山本は、気づいてなかっただろうが、顔は涙の後で一杯だ。
俺は、そんな山本の頭を撫でて山本の仕事を始めた。
その仕事は、思ったより多くて、重要なのが何件かある。
本当にこれ1人でやろうとしてたのかよ。
少し無理があるだろう。
俺は、思わず心の中で思った。
暫く、仕事をしていると橋下さんが入って来た。
「あっ、橋下さん外回り終わったんですか?」
「まぁな。」
「お疲れ様です。」
「あぁ。
ところで、そこで寝てる野郎は誰なんだ?」
「山本ですよ。」
「山本か。
やっと、寝たんだな。」
「そうみたいですね。」
やっぱり、橋下さんは気付いてたんだな。
山本はポーカーフェイスが上手いから、山本の体調が悪いなんてそうそう気付くやつなんていない。
そういえば、橋下さんなら山本の過去知ってるのか?
俺は、パソコンをいじっている橋下さんに話しかけた。
「あの、橋下さん。」
「なんだ」
「橋下さんは、山本の過去知ってるんですか?」
「まぁ、少しくらいなら知ってるぞ。」
「俺に教えてください。」
「それを知ってどうするんだ。」
俺は、橋下さんの最もな答えに言葉を詰まらせた。
そりゃ、そうだ。
知ってどうするんだよ、俺。
でも、知りたいんだ山本の過去を……
「俺、山本の負担少しでも和らげたいんですよ。
だから、少しだけでいいので教えてください。」
俺は、席を立ち上がり橋下さんに頭を下げた。
「はぁ。わかったよ。
俺が、知ってるのは本当に少しだぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
「まぁ、お前一旦座れ。」
俺は、言われたとおりに椅子に座った。
橋下さんは、俺を見ながら言った。
「まず、山本がこの組に入って来たのは、15歳の時だ。
つまり、13年前だな。
俺は、まだ幹部候補でお前はまだ、チンピラの時代だろ。
山本は、親父が拾って来たんだよ。
親父が飲みに行ってきて帰ってきたら、腕の中に泥まみれの山本がいたんだ。
最初の山本の印象はな。
凄く、無表情って言うか、音がなかった。」
「音がないですか?」
「そうだ。
まるで、山本の周りだけ音が無いように見えたんだ。
昔の山本は、度々ぶっ倒れてたな。
自分の限界を知らないんだと思うぞ。
全部、完璧にやりこなそうとする。
何でもかんでも、やってたよ。
必死に片っ端からな。
マシになったのは、山本が20歳になった時だ。
その頃、ちょうど若の右腕の存在になった。
最近の山本は、あんまりそんな事ないが性格が変わってたよ。
明るくなった。というか、チャラくなったのか?
そこからは、お前も知ってるだろ。
俺は、これくらいしか知らない。
あとは、本人に聞くんだな。
俺は、準備があるからじゃあな。」
そう言うと、橋本さんは部屋を出ていった。
時計を見ると、4時でもうすぐ会議が始まる時間だった。
それにしても、橋下さん本当に少ししか、知らないんだな。
でも、まぁ俺の知らなかった時の山本を聞けたのは嬉しい。
こいつは、昔から頑張りすぎなんだな。
俺が、息抜きさせてやらないとな。
山本の事は、俺が守る。
俺は、心に誓った。
さて、もうそろそろ起こすか。
俺は、その後20分かけて寝起きの悪い山本を起こした。
山本から1発だけ強烈な蹴りを食らったのは、山本には内緒だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
133 / 268