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18歳以上ですか?
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似ている〜sideハンス〜
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叫び声の上がった方を見る。
そこには、18くらいだろうか。
背が高めの少年が
苦しそうに呼吸をし、倒れていた。
その肌は浅黒く、瞳の色は緑色。
「どうかしたのか?」
側にいた少年に問う。
「ヤナがこうなってんのも、お前らのせいだろ!?
何でこんな良い奴が、ぼろぼろになんなきゃなんねーの」
『そうだ!そうだ!お前ら管理兵がヤナに近寄るな!
これ以上傷つけたら僕らが許さないからな!』
そうやって言ってくるのはどれも10代程度であろう少年
そんな少年達が自ら危険を顧みず、
俺の間に立ちはだかる。
中には涙目で震えてる奴もいる。
「傷つけるつもりは一切ない。
ただそいつの具合を確かめたい。
どうか見せてくれないか?」
優しい口調にして喋ってみたが、
その少年を見せてくれる気配がない。
「ごめん、皆。俺はだいじょーぶ!
ちょーっと、胸が苦しくなっちゃっただけだから!
舐めるなよー戦闘部族だからな、俺は!!」
さっきまで苦しそうな呼吸をしていた少年は、
思いっきり立ち上がり、はっはっは!と笑う。
額にはじんわりと冷や汗のようなものが出ていた。
「フォンゼルさんでしたっけ?
こいつら、俺の為を思って威嚇してただけなんで、
怒らないでもらえますか?
俺ならいくらでも怒って大丈夫ですから!
なんたって戦闘部族の末裔ですもん!」
空元気には見えない…。本当にさっきまでの苦しそうな呼吸が演技に見えてしまうほど今は元気に見える。
「俺は、元々傷つけるつもりはないって言ってるだろ。
じゃぁお前のお言葉に甘えて…。」
ぐいっっとその少年を持ち上げる。
『ヤナっっ!!!』
『ヤナを返せよ!!!』
「少し借りてく。悪いようにはしない。」
「みんな大丈夫だってー!
すぐ戻ってくるからなー。」
普通だったら今から暴力を振るわれるかもしれないのに、
元気に振る舞う少年。
きっとほかの少年たちに不安な思いをさせないためだろう。
自分の気持ちをあまり見せない少年。
その内側に何を潜めているのかが気になった。
シュラ。お前に似ているかもな。
この少年は。
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