アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
本音〜sideヤナ〜
-
フォンゼルさんだっけなぁ。
知らない大柄の男の人に担がれている。
男の人と言っても俺より歳上なだけで、
青年って言葉が似合うぐらい、
にしても、すっごい美形。
色素の薄い髪と瞳。
まつ毛なが……。
体格は細マッチョよりもがっしりしているタイプ。
「ん。」
ベッドの上にそっと下ろされる。
正直言って不安しかない。
さっきは自分より年下の子供たちの前だったから
代わりに殴られても構わないような素振りを
見せちゃったけど、
体は限界だし、さっきから胸が痛い。
暴力振るわれたらどうしよう。
意識し始めたら体が震える。
「あー、あんまり怯えないでくれ。
俺の目付きが悪いのとデカいがたいは元々だ。
危害を加えるつもりはないし、
具合だけ見させてもらえればそれでいいから。」
それと続けて、
「服、少しめくるな?」
俺の傷とかの具合を見てくれるらしい。
「結構ひどいなこれ。
手当とか怪我してすぐしてなかっただろ?
悪化して膿んでる所が何ヶ所かある。」
「えっと、手当してる時間なんて奴隷にないし、
体は丈夫に出来てるから平気だと思って放ってた。」
手際よく手当をしてくれるフォンゼルさん。
「一通りの処置はしたが、
前から出来ていた傷が酷い。
完治するまでは奴隷舎には行くな。
これ以上動かしたらさすがに丈夫な体も壊れるぞ。」
うへぇ。優しい。
ゲロ甘、ゲロ甘。俺が苦手なヤツだ。
頼られるのは好きだけど、頼るのは好きじゃない。
心配するのは好きだけど、されるのは好きじゃない。
「手当ありがとうございます。
奴隷舎に行くなって言われても行きますよ?
他に行くところないですし。
家族を人質に取られてるんだ。
俺が奴隷をやめられない理由はそれ。
逃げ出さないのも家族のためだ。
今頃…逃げ出せるもんなら逃げてる」
優しくされて舞い上がったのか、
俺は今まで誰にも言ってこなかったことを
口走ってしまった。
「ん、だったらお前さ、俺の所こいよ。
一応フォンゼル家って名家だからな。
人質の家族ぐらい養えるぞ。どうする?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 29