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秘密〜side……〜
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コツコツ
足跡が響くこの塔は、
王城から隔離されている。
壁には蔦がはっている古い塔、
今は使われておらず人はいないと言われている。
コツコツ
足音を響かせながら、階段を上る。
ガチャっ
塔の中には部屋が1つだけありそこのドアを開ける。
古く、人が使わないはずのこの場所だが、
掃除が行き届いているのか、ホコリ一つない。
「遅くなってごめん。体の調子はどう?」
「熱が少しかな…。忙しいのに毎日ごめん。」
「謝らないでよ。ちょっと熱図らせてね。」
そう言って自分のおでこを相手のおでこにつける。
「熱、高いね。39度くらいはありそう。
眠れるまでここにいるから、
あと欲しいものあったら言ってね」
「ありがとう。
僕は君がここにいてくれるだけでいい。
後は何も要らないんだよ。
だから眠れるまででいいから側にいて。
僕のことを1人にしないで。」
「言われなくても、1人になんかしない。絶対に。
僕はあの人とは違うから。
ほら、側にいるから。おやすみ。」
「おやすみ。」
この塔は秘密の場所。
誰も知らない。僕と君だけの場所。
僕が唯一生きてる理由。
ここにいる理由。
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