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城下町〜sideアヤセ〜
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シュラが昔着ていた服を適当に見繕ってもらって
どうにか見れる格好になる。
「ほらっ、準備も出来たし!もう行くよ?」
シュラの手に引かれて部屋を出る。
王城の門を潜るのは
バレた時に面倒臭いからと
俺が知らない裏門から城をでた。
城の外には…
「ヤナっっ!!」
無意識のうちに目に映る人に向かって駆け出した。
そいつは俺を目に移すと太陽みたいな
笑顔で手を振っている。
それを見た時の俺の顔は
きっと怒りに満ちていたと思う。
「このっ馬鹿!!
お前……じいさん庇うのは良いけど自分だけが傷つく選択するのやめろよな!!このお人好し!!」
「あはは、褒めてるの?お人好しって」
「おこってんの!!バカバカ!!」
「心配ありがとな。でも大丈夫!
俺は戦闘部族の末裔だからな!丈夫なのさ。」
そのやり取りを見ていたシュラが
「ハンス、この子連れてきたの?」
そういえば…ヤナの横には背の高い
いかにも品がありそうな青年がたっていた。
「はい。部屋に1人にさせるのは心配ですし、
外の世界のいい所を見てもらいたかったので。」
「ふはは、もう城の外だから敬語はいいよ。
そっか、そっか、君にもそんな子ができたんだねー。」
「うるさいぞシュラ。お前だってそいつ…」
2人とも仲がいいんだな程度に見ていたら
急にこっちを見はじめた。
「そうだよー、アヤは僕の特別だよ。」
「なっ、恥ずかしいこと言うな!
特別って特に何も無いだろ!?」
「ほら!ハンス!まず反応が可愛い!!」
「可愛くない!!」
そんな言い合いを隣のヤナが微笑んで見ていた。
「どうした?」
「名前。」
「?」
「アヤって言うの?
俺さ、話はしたし、奴隷の同期だったけど
名前までは聞いたことなかったから。」
「俺の名前?
必要ないと思ってたんだ。奴隷だから。
それと…本名はアヤセ!アヤはシュラが呼んでるだけ」
「じゃあアヤセ!
俺もお前ももう奴隷じゃないんだからさ!
お互い名前で呼び合おう」
ヤナとまた会えたこと、
名前を呼んでもらえた事が嬉しすぎて、
ヤナの胸に飛び込んだ。
やっぱりこいつは良い奴だ。
少し涙が出てきたから、
顔をヤナの胸に擦り寄せてごまかす。
「アヤセ。」
名前を呼ばれて顔を上げる、
そこには太陽みたいな明るい顔で
微笑むヤナがいた。
それにつられて俺も笑う。
俺の涙が引いたのを察したのか、
「城下町にいこ?俺ら初めてだね。」
また笑って手を握ってくれた。
それが酷く嬉しかった。
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登場人物
○ヤナ
身長168cm
年齢14歳
黒髪、肌は浅黒い、瞳は翠色。
シャスティール大国の戦闘部族の末裔。
母親、父親、3人の弟と暮らす6人家族だったが、
父が病で亡くなり、貧困生活となった。
父親が戦闘部族であり、母親は一般人。
弟達は母親に似たため部族の血を継いでおらず、
生活が困難になり、
仕方なく奴隷としてヤナを送り出した。
戦闘部族は高額なため、
家族は不自由なく暮らしている。
今はハンスの手厚い保護の元、貧しくない生活を送る。
高い身体能力を持っているけれど、
貧困生活と奴隷生活のせいでやせ細り、
成長も遅いため本来の10分の1の力も出せれない。
ーーーーーーーーーー
後々、ヤナの過去をしっかり書きます。
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