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仕事を終え店を出たオレはその足で待ち合わせ場所へと向かう。
今夜は冷えるし平日のせいか人通りは少なく、オレも何となく足早に先を急いだ。
「……っ、何やってんだよ…オレ」
その間、無意識にある人物を探していることに気が付き呆れた笑みが浮かぶ。
もう会わないと決めたのは他でもない自分だというのに…。
「ごめん!遅くなった!」
「お疲れ様ミケ君。大丈夫だよ?お酒飲んで待ってたから」
日野っちとの付き合いはまだ短い。
だけど彼のギスギスしてない穏やかな雰囲気がすごく好きで、一番よく遊ぶ人物だ。
「ミケ君も何か飲む?」
「オレはいいよ、店で結構飲まされたから」
「そっか。お腹は?」
「んーあんま空いてないからいい」
「ダメだよーちゃんと食べなきゃ。食欲ないならスープかサラダは?」
「はいはい。じゃあサラダ半分食べてくれる?」
「うん。すいませーん!」
気配りも出来てかなりの好青年。
見た目は受け顔なのにベッドに上がればたちまち攻めに転じるギャップもいい。
なんで彼に恋をしないのか俺自身何度も不思議に思ったけど、彼とはきっと今の関係が一番なんだろうとも思う。
「最近変わった事でもあった?」
「…え?」
注文したサラダを小皿によそっていると不意にそう質問され、オレは面食らったように目をパチパチさせた。
「だって、ミケ君なんか雰囲気変わった。前はもっとスレたっていうか…足元がふわふわして危なっかしい感じ?でも今はちゃんと立ててる、みたいな」
「……別に」
「あ、目ぇ逸らした。やっぱそうなんだ」
「っ…違うって。ほんと、別に何にもないよ。いつも通り」
時々鋭い指摘をするのも彼の持ち味であり、自分でも気づかなかった異変に心臓がドキッと大きく鳴った。
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