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「な…、何なんだよアンタ…!?」
日野っちがまさにオレの言いたい事を代弁する。
本当に何なんだ…!?
「こいつに用がある。悪いが借りて行くぜ?」
「っ…!用って…ケホッ」
唐突な風のようにオレらの間に割って入り、挙句の果てにはオレに用がある?
こっちの都合も考えないで身勝手もいいとこだ。
でも、文句の一つでも言ってやろうとしたオレの言葉は文章には程遠く、軽く締められた首が引き攣り噎せる。
「とにかく彼を離してよオジサン!苦しそうでしょ!?」
「オ、オジサンだと…?俺はまだ35だ! !このクソガキが!!」
「僕から見たら十分オジサンだよ。誰だか知らないけど彼は僕と先約があるんだから、割り込みは大人として良くないんじゃない?」
「…………」
「っ…ハァ…ッ。サンキュー日野っち…助か──っうわ!?」
「え!?あ、ちょっと!」
開放された喉で肺いっぱいに空気を吸った直後、今度は強く腕を掴まれグイグイと引っ張られる。
「どこ行くんだよ!?」
「うるせえ!俺がシャワーを浴びてる間に逃げやがって!金でも盗られたのかと思ったじゃねーか!」
……へぇー。そういう経験あるんだ…。
「日野っちごめん!また連絡するから!」
遠ざかる日野っちにそう叫ぶと、彼は呆然と立ち尽くし苦笑いでオレ達を見送っていた。
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