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「遅い。5分以内に出てこいって言っただろ」
「そんな無茶言わないでよ!これでも急いできたんだからな!?」
用件だけを告げて一方的に切れた電話に慌てて着替えを済まし、必要最低限の物だけを手に家を飛び出した。
それでも御崎さん曰く、10分近くかかったらしい。
「…ねぇ。どこ行くの?」
"車に乗れ"と言われた時点でだいたい想像はついた。でも敢えてそう質問すると、彼は運転をしてるせいかまっすぐ前を見たまま目線すら寄越さず小さなため息をつく。
「分かりきってんのに答える必要があるか?」
御崎さんにとってオレは気軽に抱ける同性愛者という認識でしかない。
本当なら願ったり叶ったりの立場だけど、今のオレはその事に不満を抱きつつある。
それはなぜなのか。
シンプルに考えれば答えはすぐに見つかるんだろうけど、オレはわざと深く考え、答えにたどり着かないようにしてる。
「さて、と」
「…!」
予想通りホテルに着き、部屋に入るや否や御崎さんは自分の体をベッドに放り投げ悠然とした態度でオレを見た。
「今日、俺は何にもしねえ。だからお前がやれ」
「はぁ…!?それって何?ヤル気がないのに連れてきたってこと!?大体、マナーとしてシャワーくらい浴びれば?」
「ヤル気がないとは言ってねえ。この間の礼を受け取ろうと思ってな。それにシャワーはもう済ませてきた。お前もだろ?髪がまだ少し濡れてる」
詰め寄ったオレの髪を撫で、挑発する瞳を真っ直ぐ向けてきた彼に心臓がドキッと跳ね上がった。
そしてそのまま心拍数が上がり、今にも彼の指が触れそうな頬が熱くなる。
…やめろよ。こんなの嘘だ…。
「どうした。礼をしたかったんだろ?」
「今更……」
「なんだ、お前の感謝の気持ちってやつには期限があんのか?随分薄っぺらい感性だな」
「違うよ…!あれから何の音沙汰もなかったのに突然そんなこと言われても困るって言ってんの!」
「そうかよ。でも何だかんだ言いながらこうして俺について来た。本当に迷惑なら断ることもできたのに…違うか?」
「!御崎さん……ずるい」
「ずるいのは大人の特権だ。ほら……、来いよ」
振舞わされるのは柄じゃない。
だけど彼が醸し出す魅惑的な香りの誘いを断り切れず、オレはベッドに身を委ねた。
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