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「ッ……は、あッ…、もっと…ッ」
「なんだ、今夜はやけに欲しがるな」
繋がりを持てばもう何も考えないで済む。
頭の中が彼でいっぱいになって、他の事なんて入ってくる余地が無い。
だけど繋がりを解いてしまえば罪悪感と自己嫌悪に苛まれ、恐くなる。
それが嫌でオレは何度も彼を求めた。
「欲しがっちゃダメ…?」
「いいや、悪くない。だが今夜はもう3回もしただろ?俺はそんなに若くねーんだよ」
「んッ……」
ぬるりと中から御崎さんのモノが出ていくと、途端に背徳感が襲う。
オレ達がこうしてる間も彼の奥さんは家で一人彼の帰りを待ってるかも知れない。
なんてことをしちゃったんだろう…。
「ほら起きろ。シャワー浴びるぞ」
「御崎さん……帰らなくていいの…?」
「あ?お前なぁ、今何時だと思ってる?もう明け方だ。嫌でも数時間後には家に帰んだから、少しくらい寝かせろ」
「嫌?家に帰るのが?」
「そうじゃねえけど。お前本当にどうした。なんか変だぜ?」
「…………」
矛盾してる。そのくらい言われなくても自分で分かってる。
でもその全てがオレの本心で、自分自身どうすればいいのか迷っていた。
そうした中で口にする言葉は建前と本音が交差する。
「オレ達……もう何度もsexしてるけど…、御崎さんはこれからどうしたいと思ってる?」
「ん?」
「だから…その…」
「つまりお前は終わらせたいって事か?」
「っ違う…!そうじゃない!そうじゃないけど…上手く…言えない」
「……。俺の希望としては現状維持だ。それ以上でも以下でもない。それが不服なら好きにしろ」
"去る者は追わず"。
その心情を告げ、彼はオレをベッドに残したままシャワーを浴びる為部屋を出ていった。
彼にとってオレは代わりの利く珍しいオモチャなんだろう。
「ずるいよ……」
オレの中に土足で入ってきといて心を明け渡せば"好きにしろ"なんて言われても今更離れられない。……離れたくない。
その想いが増すたびに胸が苦しくなり息も詰まって、オレは逃れられない苦痛を耐え忍ぶように布団にくるまった。
「…………。コラ、このまま寝るな。中が俺のでぐちゃぐちゃだろ?」
「っ…!」
シャワーを終えた御崎さんはミノムシみたいなオレを背後から抱き締め、耳元で甘く囁く。
冷たい態度の次は甘やかす声でオレに逃げ場を教える。
"言う通りにしていれば餌をやる"、と…。
「……キス、して?」
せがんだ唇で彼の体温を感じ、心が満たされる。
いつも足りなくて空腹だったオレは、やっと餌にありつけた惨めなノラ猫なんだろう。
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