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「────、──、」
誰かの声が聞こえる。でも誰かは分からない。
そうやって夢と現実の狭間を行ったり来たりしていた。
「──でね!あの後ケムケムがー!」
「ウッソ~!やだ~!」
「~~っせぇー!!っ…、頭いてェ…」
モゴモゴと耳に響いていた声がだんだんはっきりしてきた途端オネエ達のハイテンションな声へと変わり、その声音はオレの頭痛を引き起こす。
…ってか、頭痛は絶対酒のせいだけど。
「なによ~!うるさいとは失礼ね!」
「ほんとほんと。酔い潰れたあんたを心配して居てあげたんだから感謝すべきじゃない?」
店の従業員であるオネエ2人は唇を尖らせて口々にそう言う。
その声に霞んだ目を擦り周りを見渡してみると、店の二階にある休憩部屋なのが分かった。
ってか酔い潰れた?そうだっけ?
「…………あ。そういや途中から覚えてない」
「そりゃそうよ。ミケちゃん、この部屋に来る前から意識がなかったもの」
「ねー。ミケちゃんの酔い潰れの速さと滅多に顔を出さないオーナーの登場でダブルパンチ!」
「え…?オーナーって……この店の!?っ…」
自分の大声が嫌と言うほど頭に響き頭痛が起きる。
でも叫ばずにはいられなかった。
この店のオーナーは無類のホモ嫌いの癖にゲイバーを経営しているという一風変わった人間で、滅多な事じゃ店に顔を出さない。
何店舗かのキャバクラをメインにしてて忙しいってのもあるだろうけど、理由の大半はオレ達の存在だ。
「二日酔いの分際で大声出すなんてバカね。何をそんなに驚いてるの?」
「だってオーナーっすよ!?あの都市伝説化してるオーナー!オレも見たかったなぁ~」
「はぁ?何言ってんのミケちゃん。あなたオーナーに担がれてこの部屋に来たのよ?その前に会ってるでしょ」
「え…………ぇええっ!?」
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