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「いいか、逃げんなよ?」
「……逃げられると思う?」
「思わねえ。まぁ無理だろうが一応な」
一晩で3度の情事を終え、何度も達したオレの足腰は最早使い物にならなくなっていた。
シャワーを浴びようと立ち上がったつもりが半分転んだように床にへたり込み、そんなオレを見て大笑いした御崎さんにベッドへ戻されるという失態を経ている。
しばらく休んでいれば元に戻るだけの事なんだけど、逆に言うとしばらくはこの部屋から出られない。
それが何となく見えない鎖に繋がれてるみたいで、尚更逃げ出したくなる。
(すぐ帰れるように服だけでも着ておこう)
30分もすれば動けるようになるだろう。
そう目安づけたオレはベッドの下に転がってる服を取り、その時のためにもそもそと着替えを始めた。
「…ん?なんで服なんか着てんだ?」
ものの5分程度という短いシャワータイムから戻った御崎さんは、ベッドの上で着替るオレを見て怪訝そうにそう尋ねてきた。
でもおかしな質問だ。
「なんでって、裸で街中を歩く度胸なんて無いよ」
「あ?泊まってくんだろ?」
「は…?え、誰が?」
「誰って……、俺とお前以外に誰かいるか?」
質問に質問をされて首を捻ると、腰にタオルを巻いただけという魅惑的な姿の彼は呆れた口調でオレに返した。
「仕事は夜だけなんだろ?だったら泊まっていけばいい。俺は7時に起きるが、ここのチェックインは11時だ。今から帰って寝るより遥かに楽だろ」
「あ……、えっと……」
「あ?今度は何だ」
「うん…。それってもしかして御崎さん…オレと朝までいたいとか…?」
「…………はあ?」
間抜けな声は多くを語らずとも全否定の現れだ。
でもそれが違うなら彼はどうして"泊まっていけ"なんて言ったのか検討もつかず、オレはその言葉の裏にある本音を求めて彼をじっと見つめた。
「だから今言っただろ?このまま泊まってった方が楽だからって」
「……それだけ?」
「おう」
「ふぅん……。なら帰る。ヤル事やったんだから、これ以上ここにいる意味なんてないもん」
この人は本当によく分からない。
まだ会ったのも2回目だけど、体を重ねたら大体どんな人間なのか分かるもんだ。
それなのにこの人は全く見えてこない。
少し乱暴に突っ込んできたかと思えば触れ方は優しかったり、バカにするような言い方をしながら髪を撫でたり…。
今だってそうだ。
(一緒にいたいのかと思っただろ…バカ)
ちょっと勘違いさせられたオレは気恥ずかしくなって益々着替えの手を速めた。
もうシャワーなんて帰ってからでいい。
フラフラになりながらでもいいからとにかくここを早く出たい。
そんでもって二度とこの人とは寝ないでおこう。
オレは彼に背を向けながら固くそう決意した。
だけど……
「お前のことが知りたいって言ったら?」
「……はい?」
「男同士のセックスは多少分かった。次はお前の事だ」
良くも悪くも勉強熱心なのか、オレの腕を掴んだ彼は次なるものに興味を示したようだ。
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