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"店の片付けがあるから"という理由で残った華さんに見送られ、オレ達が向かったのは居酒屋なのに落ち着いた雰囲気の店だった。
照明は少し暗く、個室ではないにしろ軽く仕切りのあるこの店はデートに最適だろう。
それにしても、選りに選ってこんな洒落た店でバチェラパーティーをするという考えがどうも理解できず、オレはいまいち酒が進まなかった。
オレ達のメンバーにはオネエもいるけど、第一客全員がノンケだ。
色っぽい話より少し行き過ぎた話が得意なこのオネエ達が暴走しないよう気を張り詰めていたのも酒が進まなかった理由かもしれない。
だけど本当に注意するべきは松島さん達の方だった。
「おい、ミケ!お前最近いつ抱かれたんだ~?」
「松島さん…!?声が大きいって…」
「お前絶対好き者だろ?いやらしい顔してるもんな~」
「……はいはい、そうですよ。オレは誰でも食わえ込むからね」
酒が進みすぎ、否定すれば更に騒ぎ立てるであろうこの男を落ち着かせるには彼の言いなりが一番いいと判断し、オレは軽く受け流しながら彼に同意する。
それに疲れ果てて周りを見ると、オレ達のメンバーは皆そういう態度で対応していた。
皆内心、早く帰りたいと思ってるんだろう。
すごいピッチで酒を促してる。潰すつもりだ。
「ミケ~!トイレ行くから手ぇ貸せ!気持ち悪い…」
「え、大丈夫!?ほらしっかりして」
かく言うオレも同じで、松島さんの脚は膝から下が言う事をきかなくなってきてる。
そんな千鳥足に近い彼の片腕を掴み、周りの客に迷惑がかからないよう細心の注意を払いながらトイレの個室のドアを開けた。
「ほら着いた。…松島さん?」
さっきまで質の悪い酔っ払いだった松島さんは俯き、個室のドアが空いてるにも関わらず中に入ろうとしない。
オレもさすがにこれはヤバいんじゃないかと思い、彼の体を支えたまま様子を伺った。
「ねぇ、大丈夫!?松島さ──ッ!!」
「──なぁ、誰でもいいんだろ?ヤラせろよ」
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