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スーパー銭湯で欲情中!?
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「はぁー...気持ちいい」
冬の寒い日ではあるが、斉木有生(さいきゆう)は裸で外にいた。
自宅の隣に二年前に出来たスーパー銭湯「神の杜」の露天風呂で、週末にまったりするのが、有生の楽しみだ。
「冬だというのに、裸で外にいられるなんて、温泉の醍醐味だよなぁ」
と、広い露天風呂で人の目も気にせず、大きく伸びをした。
次の春で高校三年生になるが、まず初対面で年齢を言い当てる人はいないくらい、彼の容姿は可愛い。
色素の薄い髪は、草食男子にありがちなコロッとしたマシュマロヘア。
黒目の大きな可愛い目に、細めの鼻筋、口角がキュッと上がった口元は怒っていても、微笑んでいるように見えるらしい。
肌も色白で、痩せぎみな身体をさらしていると、どう見ても中学生だ。
スーパー銭湯は中学生から大人料金になるところが多いが、有生の通うここもそうで、中学生になった時は、大人の仲間入りが出来たようで嬉しくて、どうだ、と言わんばかりに大人チケットを出しては、
「小学生は三百円ですよ」
と何度微笑まれたことか。
その度に、
「俺は中学1年生です!」
と言うと、相手は必ずと言っていいほど、
「......」
言葉を無くし、顔をじっとみつめてくるのだ。
それ以来、大人チケットを見せて、二度見されると凹むのだ。
でも今はさほど驚かれなくなった。なぜなら身長が百七十四センチと、以外に高くなったからだ。
「...ゆうちゃん、ここにいたの」
可愛い声でゆうちゃん、と言うこの男の子は弟の陸(りく)
顔は両親よりも、有生に似ているが、可愛い有生に対して、こちらは野生的と言ってもいいかもしれない。
元々は色白だったけれど、サッカーをやりはじめてから、いい色に日焼けして、冬でも元に戻らなくなった。
健康そうな容姿だ。
歳は14歳、中学2年生。
「陸、お前はどこに入っていたんだ?」
「僕はあっちの座湯、ゆうちゃんはこの露天大浴場にいつもいるね」
「俺はここが大好きなの。このひろーい露天風呂で1週間の疲れを取るのが幸せなんだ」
岩に上半身を預け、空を見上げる。そこには見慣れた星。
「明日も晴れそうだ」
と、言う有生。そんな兄を見て、呆れる陸。
「1週間の疲れって...高校生ってそんなに疲れるものなの?」
「毎日、良識ある大人になるための人間つくりと受験の話ばっかり、疲れるよ」
「ふぅーん...あ、そうだ、ゆうちゃんに言いたい事があって、こっちへ来たんだ」
「何?」
「さっきね、すっごくかっこいい人を見ちゃった」
「かっこいい?どんな」
「んーと、背が凄く高くて顔もすっごいの、モデルさんみたいな人」
と言う陸の目がキラキラしている。
彼の身長はまだ百五十八センチ。背の高い人に憧れを抱く年頃だ。
スポーツをしているだけあって、イケメンは見慣れているはずの弟が、ここまで言うのは珍しい。でも...
「...陸、周りよぉーく見てみろ、ここには老人から子供まで、いわゆる庶民が来るところだぞ、時々プロスポーツをやってそうな身体の人もいるが...そんな所に、モデルばりの人間が来るわけないだろ?」
「だって、本当にいたんだよ。周りのおじさん達もびっくりして、じーっと見てたもん。背が高いだけあって、アソコもでっかくてキレイだった」
そう言って、思い出しているのか、遠い目をしてうっとりしている。
有生は彼の将来が不安になった。
「り...りくっ!はしたないこと言うんじゃない!」
「えーなんで?見たまんまを言っただけだし」
「いくら同性でも、こうゆうとこでは、人の身体をまじまじと見ないのがマナーだ」
その光景をみてもいない有生が顔を真っ赤にして言う。
「でも、隠したりしないで堂々と歩いてたんだぜ、見ちゃうだろ普通」
陸は何がいけないんだ、と言わんばかりだ。
「それでもだめだ」
少なくとも有生はそうしてきたからだ。
(ここは俺の価値観にあわせてもらうぞ)
と、心の中で呟く。
「ちぇ...ゆうちゃんも見たらわかるのにぃ、...って、あれだよ、ゆうちゃん!」
話の途中でいきなり陸が有生の背後に目線をずらした。
「え...ちょっと陸」
「あの人、ほら見て!やっぱチョーかっこいい」
「陸っ、またそんなふうにじっと見ちゃ...だ...」
陸に顔を両手で掴まれて、ムリムリ後ろを見たその先には...
「...だ...め...だ...ろ」
有生は、まだ少し離れたところにいる彼に思考を停止されてしまった。
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