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Side有生、1
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「な...んだ...うわ......」
露天風呂の出入口のところに、あきらかに周りと違う身体バランスの人が、扉を開けて出てくるところだった。
すれ違う親子連れを先に中へ招き入れてから、丁寧に扉を閉める。
中から外へ出る時は、寒すぎて大概慌てるものだけど、その人は全くそんな素振りは見せない。
そんな落ち着いたところも、有生には好印象だった。
彼はゆっくり歩いている。
その先は壺湯だ。
壺湯は大浴場の横を通って、奥の端にある。
有生は大浴場の一番奥に入っているので、近くを通るわけではないけれど、その身体の美しさは、近寄らなくても分かる。
(ってか、ここからの方が、全体のバランスが見えていい...)
湯気の向こうに頭から足までの全体が見えるのだ。
黄金比率...それに近いかも、と有生は考える。
(って、見るな...失礼だぞ、見ちゃだめだろっ......俺!)
フワフワとした心の隙間から、そう警告が聞こえてきて、咄嗟に下を向き両手で顔を覆う。
(あぁ...でも...)
見たい。
今見ておかなくちゃ、今度いつあんな身体が見れるかわからない。
幸いあの人も周りをキョロキョロする事無く歩いている。
なんたってファッション雑誌から出てきたような、あるいは生でファッションショーでも見ているようなモデル体型の人だ。
ムキムキの筋肉質でもない、どちらかというと細身だけど、腕、胸、下腹...そこかしこのパーツに形の良い筋肉が付いている。
肌は陸ほど浅黒くもないけど、有生ほど白くもない。
ちょうどいい健康な肌。
それでその下...
(あ...アソコの毛、むさいほど多くもなく、俺みたいに産毛並でもない)
その下は...
(......っ...!)
確かにキレイなカタチしてる。
小さい時から親に連れられて、スーパー銭湯に通っている有生は、全裸を見慣れている。
見てはいけないと思っているが、フツーに目に飛び込んでくるものは防ぎようがない。
その記憶の中では、キレイとか思った事は一度も無かった。
その人は、有生からまっすぐ正面を通り抜けて、4個ある壺湯の中から空いている一番右端のところへ行き、片足を中へ入れた。
(...あれはホンモノか?あのおしり、それに腰からのラインが大人の男、って感じ)
後ろ姿になって視線を気にしなくていい分、向ける目に遠慮が無くなった。
彼は両足を入れると肩まで一気に浸かる。と同時にザバーンとお湯が勢いよく溢れ出た。
そしてヘリに頭を預けたと思ったら、そこから動かなくなった。
「いちいちカッコよすぎ。しっかし......おっきかったな、アソコ......あの身長だから納得だけど、陸の言うとおりだ......」
(...あ...陸!?)
俺は久しぶりに陸の存在を思い出し、とっさに弟の方を見た。
「陸........ぁ?」
(しまった......考えてた事が声に出た)
「え...っと、いつから見てる?」
「んー...ゆうちゃんが僕を見なくなってから?」
(最初かよ!)
陸はニヤニヤしながら有生を見ている。
その顔が何を言いたいのか分かって怖い。
「ゆうちゃんずーっとウットリしてたよ、アソコもやっぱ、見ちゃうよねぇ」
(うっ......何も言い返せないのが悔しい...)
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