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Side有生、11
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「で、今日も会うの?」
「昨日、陸のこと伝えたら、早い時間に行かなかった事を申し訳ないから、家においでって」
今朝も陸への報告から始まった。
俺はどんな小さな事でも話したけど、あのミッションの事だけは言わなかった。心の中で陸にごめん、と手を合わせて...
実際、忘れてしまいたいくらいの変なミッションだ。
(孝...彰......さん......ぅ...やっぱり無理!)
簡単そう、なんて言う奴がいたら、
『雑誌から飛び出たような超イケメンだぞ、男子の憧れのような完璧なボディだぞ、突然めちゃめちゃ甘い声出すんだぞ、そんな奴に普通の顔して、名前呼び出来ると思う!?』
...と、大声で言いたい。
『二人きりの時は絶対だよ、有生』
あの時言われた言葉が頭に残る。
(あー恥ずかしすぎる!)
...て、今はそんな話じゃなくて、時間を聞かなきゃ。
「ゆうちゃん?家に招待されたの?本当に?」
「あぁ...本当に。今日の部活は何時からだ?」
「えーっと、3時からだよ、やったー!」
陸は目をキラキラさせて喜んだ。こうゆう姿を見ると、やっぱりまだ中学生だなと思う。
「そっか...じゃあ昼の1時にお邪魔するって、伝えとくよ。陸は自転車で行けば、そのまま部活行けるだろ」
「え、何、LINE交換したの?」
「うん」
そう返事をすると、陸は驚きの顔から、いたずらっ子の顔に変化した。
「なんかさぁ、ゆうちゃんと神都さん、順調に親しくなってるね、いいなぁーそおゆうの」
「は?......そう...か?んー...だんだん慣れてきた、ってのはあるかもだけど。これでもさぁ、俺すごーく勇気出してるんだから、そこ評価してほしいよ」
「分かるよ、ゆうちゃんはビックリするくらい奥手だもん、本当は凄くモテるのに...」
(その言われ方、どうなのよ…...)
「モテないよ、俺は。誰からも告白されたことないし、俺は陸の方が心配だよ」
「.....なんで僕?てか、ゆうちゃんが告白されてないって?」
納得いってない陸を放置し、有生は昨日交換したLINEの事で、頭の中をいっぱいにさせていた。勇気を掻き集めないと、お邪魔する時間がいつまでたっても送れないからだ。
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