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Side有生、13
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エレベーターの中は宇宙空間のようだったが、そこを降りたフロアも凄かった。
自分たち兄弟が、凄く場違いなきがしてならない。
緊張して躊躇う有生に、陸が、
「僕が押す!」
と言って、玄関のチャイムを鳴らしてくれる。
するとすぐに扉が開いて、優しい笑顔の神都が姿を見せた。
「いらっしゃい」
変な話だが、服を着ている彼を見るのは初めてだと気がついた。無地のベーシックなセーターにジーンズ、とゆうラフな格好だけどお洒落だし、相変わらずずっと見ていたいほどの、イイ男だ。
(はぁ......心臓のバクバクが凄い)
「は、はじめまして!斉木陸です。兄がお世話になっております」
さすがの陸も緊張しているようだ。
でも挨拶はちゃんとする弟を見て、神都はびっくりしたのち、声をあげて笑った。
(神都さん、俺と陸の性格が違う話、今思い出して笑ってるっ)
「陸君は聞いていた通りだ。とにかく入って」
「お邪魔しまーす!」
元気に中へ入る陸に続いて、有生も入った。
「おーっ!すごー」
弟が興奮して中へ入っていく。
有生も靴を整え、ついて行こうとして、そこに立つ神都と目が合った。彼はずっと有生を見ていたのか、視線が合うなり微笑んできた。
「.........!」
(あ....あれ......さっきの笑顔と違う気が...?)
有生には、玄関を開けたときの神都の笑顔から、今自分に向けた顔が変わったように感じた。
それは、触れてもいないのに、頬を撫でられているような......
フェロモン全開のような...
「あ......おじゃましま...す...」
(そんな顔、俺だけに見せないでほしい......)
「服を着ている有生を見るの、初めてだね」
と彼が言う。そしてすこし屈んで肩に顔を近づけ「...可愛い」と囁いてくる。
「...は...っ......」
有生の耳から肩に電気が走ったような気がして、思わず声が出てしまった。
(まただ.........あぁ...もう......からかうのやめて欲しい)
「...ぼ...僕もっ、服...同じ事考えてました、神都さん、かっこよすぎです」
「そう?僕達気が合うね。だけど有生......二人きりの時は、そうじゃないよね?」
神都が何の事を言っているのか分かっている。でも...
「え、だって今は...陸がいるから」
「ここは二人きりだよ......」
また顔が近づいた。
(どうして彼の全てはこんなに甘いんだろう......もぅ...)
「...あ、僕も部屋見たい!...あっこれ、梅花堂のシュークリーム。差し入れです」
と言って、持っていた紙袋を、そのまま神都に押し付け、小走りで陸のところへ向かった。
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