アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Side有生、14
-
神都の部屋から見える外の景色は、個人宅で見るレベルではなかった。
それを暫くの間堪能したら、差し入れで持ってきたシュークリームと、彼が入れてくれたお茶を飲みながら、3人で色々な話をした。
とにかく感心したのは、陸の積極性、社交性が発揮された取材能力?それのおかげで神都の事が少し分かった。
「ねぇ、神都さん、雑誌がいっぱいあるけど、モデルやってる写真てあるの?」
「あぁ、その大量の雑誌の中にあると思うよ。ショーを撮ったのもある、と思う。ごめん、実際のとこは見ていないんだ」
それを聞いて陸の目がキラーンと光った。
「それ、見てもいい?」
「どーぞ」
神都の許しが出ると、陸は早速雑誌を1冊ずつペラペラと見ていった。
(いいなぁ......)
羨ましさいっぱいで、弟を見る有生。
陸は最初こそ敬語を使っていたが、打ち解けるとすっかり友達の会話になっていた。
失礼じゃないか、と思いながらも、自分も...とゆう思いがないわけでは無い。
(陸ならきっと、名前呼びだって、朝飯前なんだろうな…...)
と思うと、ちょっと切なくなった。
陸が『孝彰さん』と呼ぶ姿は楽に想像出来てしまうから。
(あ......また......)
胸がモヤっとした。
実はさっきから胸の辺りがモヤモヤしている。
(おかしいなぁ…...昼食べ過ぎたかなぁ...)
と、昼のご飯を思い出してると、
「あーっ、あった!」
突然、陸が大声をあげた。どうやら神都を見つけたようだ。
「すご!チョーかっこいい!僕トリハダ出た」
発狂に近い声をあげて興奮している。
(あぁ......あんなに喜んで...俺も見たい......)
「あの......お...僕も見ていい......?」
と、向かいに座る神都に、勇気を出して聞いてみた。
だけど神都は珍しくはっきりしない口調になった。
「...っと…君も?それは......あー...有生には見られたくないかも」
当然、いいよ、とゆう言葉が返ってくると思っていた。
思ってもない言葉が帰ってきて、有生は、訳が分からず戸惑う。
「...え?どうして......」
「......あ、ごめん。まぁ...恥ずかしい......てゆうか...」
(どうして俺には恥ずかしいなんて.....陸には即答だったのに)
何となく神都が照れているような、困っているような、複雑な顔をしているようにみえる。
有生が初めて見る彼の顔だったが、それに対して更に話しを詰めることは無かった。
大事な事を思い出したからだ。
「あ...陸っ、部活の時間、忘れてる!」
「えーっっ、もう?....ヤバ...あぁ、もっと見たいのに!」
時計は2時半になろうとしていた。
学校までは自転車で15分くらいだけど、いつも早目に家を出ているので、今も結構ヤバい。
でも手に持っている雑誌からも離れ難いようだ。
そんな陸に、神都が言った。
「何冊か持っていったら?有生が持って帰ればいいよ」
「そっか、やった!ゆうちゃん、お願いっ、僕もう行かないと」
「あ、じゃ...俺も一緒に...」
最初から一緒にここを出るつもりをしていたので、有生も席を立とうとしたら、ふいに神都に腕を掴まれた。
「有生は僕が載ってる雑誌、探さないと」
「え......」
ついさっき、ちょっと気まずくなったとゆうのに、神都はニッコリと微笑んでいる。
分からない......有生には見せたくないのに、持って帰っていいとは。
(てことは......あれ、どうしよ......)
有生は神都のマンションで、彼と二人きりになってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 60