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Side有生、23
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休み時間、正嗣が机の横に立つ。
(...弁当食べる時嫌でも会うのに、休み時間まで来る時は、なにか言いたい時だよな)
チラッと横目で彼を見る。
「......今日は何?」
「お前をどうにかしろ、だと。何かあったかは昼に聞くとして、とりあえずその溜め息ガマンできないか?」
「...溜め息......してる?」
「あぁ、凄いのをな。苦情来てるぞ」
「......そぅか...ごめん」
気が付かなかった。考え事はしていたが、溜め息まで、していたとは。
「...今日は素直だな」
「ん......なぁ、男同士の最後まで、って…...どこまでかな?」
それが有生を悩ませる事だった。
孝彰との別れ際に彼が言った事、
『次は最後までしようね』
と言う言葉。あの意味が有生には分からなかった。
「.........は?」
その時近くで教科書が落ちる音がした。それが教室に大きく響いたので、有生はそっちを見る。
そこで教室がとても静かなことに気がついた。
「...なんだ、静かだな」
と、呟く。
正嗣もちらっとその方を見たが、彼は大して気になっていないようだ。
「...その話は昼にしよう。とにかく、溜め息気をつけろよ」
「あ、うん......」
そう言って、教室を出ていった。
自分ではわざとしているつもりは無かったので、対処に困ったけれど、とりあえず孝彰のことは考えないよう、授業に集中した。
ランチタイム。
二人は食堂には行かず、グランド横のベンチに座って、お弁当を食べた。
「有生、さっきの話......詳しくはあまり、聞きたくは無いが、最後まで、と言うのは...やっぱり、あのモデルとその...行為を最後までやろうとかって、話が出たのか?」
正嗣のセリフに、いつものような滑舌さがない。
その態度で来られると、そもそもそれを聞いた有生までが、恥ずかしくなる。
「......ん...まぁ......次は最後まで、って言われた...けど...最後って、どこが、最後なのかなって...正嗣知ってる?」
「次は、って、途中まではやったと言うことか......」
彼が小さな声で呟いた事は、有生には聞こえなかった。
「なに?」
「いや、いい。だけどその質問、相手に聞こうとは思わないのか?俺は男女の場合と同じだと思うが」
「.........」
(今の言い方には突っ込みドコロがありすぎる...)
当然本人に聞くなんて、もっての他だ。
それに、男女の行為も保健の授業で習った知識しか知らない。
虫や動物の交尾は見たことあるけれど...その程度だ。
(正嗣は経験ありそうだな…)
「どうした?有生」
「ううん、何でもない...」
(お互いに抜きあって出したんだから、それで終わりじゃなくて.....)
また、抜きあった時の事が頭に戻ってきた。
ボッと赤くなる。アソコに熱が行かないように耐えるのはなかなか難しい。
「.........はぁ...」
(...じゃ、どこの穴にいれるんだ?)
溜め息をつくと、正嗣は食べる箸が止まった。
そして1つ咳払いをする。
「...っ...次帰るのはいつなんだ?」
「え、あ...神都さん?...えっと...火曜か水曜だと思う」
「そっか、いつか俺にも紹介しろよ」
「...あ、そう...だな、わかった」
この話はそこで終わり、2人の話題は他愛も無い昨晩のテレビの話になった。
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