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Side有生、35
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孝彰は有生を抱きしめたまま、しばらく動かなかった。
はじめドキドキしていた有生も、寝てしまったかと思えてきて、声を出そうか迷う。
そんな時、肩からゆっくり顔が離れた。
見ると、さっきまでとは見違えるくらいスッキリしている彼がいた。
「ありがとう、有生」
そう言って、ニッコリと微笑む。
「不思議...さっきまでの孝彰さんと全然違う。何をしてたの?」
と聞く有生に、孝彰は一瞬驚いた表情をして、軽く触れるだけのキスをしてきた。
「有生には分かっちゃうんだな。...君に浄化して貰っていた」
「...孝彰さん、前にもそれ言ったことあるよね、僕は何の力も持ってないと思うんだけど」
「そんなことない、有生は凄いよ。今だって僕がちょっとヤバかったことに気づいていてるし、スッキリしたことにも気づいてる。驚いたよ」
「それは...」
(いつも孝彰さんに見とれてるから)
理由は分かっているけれど言わない。
心の中で思うことすら恥ずかしい。陸以外でこんなにも関心を持ったことは、有生の記憶に無いからだ。
「出来ればその力は僕限定にして欲しいな、これ以上ライバルを増やしたくない」
「僕は全然モテません」
他に関心を持った事がないし、目立ったことはしてないからモテるわけが無い、と言うのが有生の気持ちなので、それは謙遜でも何でも無かった。
(告白されたことも無いし)
「その無自覚なところが心配になる」
有生の肩に手を乗せてはぁーっと溜め息を漏らす孝彰。
「大丈夫だよ、それより浄化したって何を?なんかとんでもなく強烈な人と仕事したとか?」
「仕事そのものだよ、たくさんの人が関わって、自分を高めながらやるから、気分が高揚してしまって、終わっても興奮がおさまらなくなる。それらをひとつひとつ消して行って、やっと落ち着くんだ」
「消すって、どうやって?」
「んー携帯とかでもいらないメールや写真をゴミ箱に捨てるよね、あんな感じで頭の中を整理するんだ。まぁ儀式みたいなものだよ」
そう言われて、携帯の写真を削除する時を思い出す。
(...あぁ...なるほど)
「モデルの仕事って凄く大変なんだ」
「いや、僕は特殊。キャラを…全部作ってるから」
「作ってる?」
孝彰が途中、言うことを躊躇ったのが、込み入った話だとゆう事を連想させる。
「そう。そうしないと売れなかった。でも売れたら…」
「......」
「ちょっと苦しくなった」
孝彰さん...
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