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今日も飽きずに揉めてます。3(聖夜side)
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バツの悪そうな顔をしているのは無関係である聖夜を殴ってしまったからだろう。根は良い奴なんだ、きっと。だからこそ理由がある、そう思っていた。それなのに、創は、逃げた。
『あっ、ちょっと!鈴野君!?』
小さくなっていく彼の背中に手を伸ばすが届くことはない。現副会長である同級生の女子が追いかけようとしたので手を横に出してそれを止める。
今は1人になりたいのかもしれない。彼なりに心の整理の時間を必要としている、そう考えての行動だ。
取り敢えず今はできることをすることにしよう。未だに怒り狂っている3年生に体を向ける。口々に発するのは向こうが悪いだとか、喧嘩を売られたんだとか自分に都合が良いことばかり。
これを鵜呑みにすることは無い。
だって片方の言い分だけを聞いてどちらが悪だとか決めつけることは差別と言えると思っているからだ。
それに、この手の連中の言っていることは大体自分に都合の良いようにしか言わない。
それは16年間生きてきた経験上言えることである。
3年生の言い分はこうだ。
『あの生意気なガキが俺たちに喧嘩売ってきたんだ!あの憎たらしい目でコッチを睨んできたんだぜ?だからちょっと根性を叩き直してやろうと思ったらアイツ何したと思う?先輩に対して生意気な口叩きやがった!怒るのも当然だと思わないか?』
とのことである。
その話を聞いて想像してみたのだけれど、それは多分元々の創の目つきの悪さが原因では無いのだろうか。
創は睨んだつもりなんてなくて、ただ購買に来ただけ。そしてたまたま目が合ってしまっただけ。
これはあくまで想像なので事実である可能性は低い。本当に創が睨んだのかもしれないし、3年生の勘違いかもしれない。もしかしたらまた違う理由があるのかもしれない。
何にせよ、創の口からちゃんと話を聞くことが必要だ。未だに創に対して怒りを表している3年生は他の生徒会のメンバーに任せることにして自分は迷える子羊…いや、狼か?を探しに行くことにしようか。
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