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今日も飽きずに揉めてます。8(創side)
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隣に腰を下ろした聖夜は男というよりは女のような顔立ちで、カッコ良いと言うよりは可愛い。小柄で肌白で、男からモテると噂は聞くけれど多分本当なのだろう。
少し高めの声とか、長い睫毛なんかも男心くすぐる。
何故男に対してこんな感想を持つのか、自分でもよく分かっていない。ただ言えることがあるとすれば、どうやら現時点で聖夜に対して特別な感情を抱いてしまっているらしい。
そんな彼に自分のことを勘違いされたままでいて欲しくなくて、本当のことを知って欲しくて、あの時何があったのかを言おうと、言ってみようと思えたのだ。
『……あンさ……3年の奴らが1年のチビが買った唐揚げパンを横取りしようとしてたんだ。俺さ、言い返せない奴に対してそういうことすンのどーかと思って言ったンだけどさ…それが気に入らなかったらしいわ…。そンでコッチもヒットアップしてった…って訳。信じてくれないかもだけどさ、一応知っておいて欲しくて…』
信じてくれるだろうか。こんな容姿の奴が1年生を助けたくて…なんて言って本当のことを言っていると思われるのだろうか。
なんでもマイナスな方向に考えてしまうのは悪い癖だ。だけど自信がない。今までのことがあるし、それに学校での態度が悪いのも事実である。
たが、それに対する聖夜の返答はあまりにも軽いもので、初めは驚きのあまり目を剥くこととなる。
『うん、信じるよ』
『えっ…』
『さっきね、1年生の子が教えてくれたんだよ。3年生の皆さんは鈴野君が喧嘩を売ってきたとか言ってたけど…。でもどっちが本当のことを言っているかなんて周りにいた人たちに聞けば分かることだしね。…言ってくれてありがとう。大丈夫、鈴野君が悪くないことなんて皆んなちゃんと分かっているからね!』
あまりにもあっさりと信じてくれた。1年生の子が言ってくれていたらしい。
皆んな、俺が悪くないって分かってくれているらしい。
そんな嬉しいことを言われたらまた泣いてしまうではないか。
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