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友達から始めましょうか? 2(創side)
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この数週間で自分の気持ちと向き合うことができた。鈍感な方ではないこともあって、この胸の苦しみが心が傷ついているということ以外の理由だと分かったのだ。
最初は戸惑った。相手も自分も男。それに向こうは優等生。自分とは真逆の立場にある。
そもそも俺みたいな道の外れた奴に声をかけてくれるのはきっと生徒会長としての仕事だからだろう。勘違いして勝手に思い上がっているだけ、分かっているはずなのに上手く心をコントロールすることができないのだ。
一度芽生えたこの感情は抑えることができなくて、報われなくても良い、せめて相手にこの気持ちを伝えることができれば…と考えているうちに午前中が終わってしまっていた。
最近知ったことなのだけれど、彼とは同じクラスらしい。
彼がいるのならクラスに顔を出すことも良いかもしれないと思っていたのだけれど、それを実行することができなかった。午後からの授業は何か分からないし、もし移動だったら嫌だからサボろうかと考えている矢先、彼が来た。来てくれた。
風になびくサラサラとした黒髪。人懐っこい笑顔に惹きつけられる。
今日も可愛い彼の名前は花咲聖夜。
もし結婚したら鈴野聖夜になるのかな?いやいやこっちに来てくれるとは限らないじゃないか。もしかしたら俺は花咲創になるかもしれない。
そんな思春期の乙女がするような妄想を繰り広げてしまうくらいにはすでに聖夜の虜になってしまっていたのだ。
今日も笑顔が眩しい。思わず目を細めてしまう。
ドキドキと心臓がうるさいのにこんなにも近くに座られてしまった。手を伸ばせば触れることができる。腰に手を回してみたいな…なんて思うのだけれど、もしそれを実行してしまったらセクハラで訴えられるのではないだろうかと言うチキンな考えから手を出すことができないのだ。
何か話をしなければ…。何か面白い話…タメになる話…政治?社会問題?でもそんな話をしてもつまらないよな…。
無駄に色々と考えてしまって、もう一層の事今告白でもしてしまおうかと言う大胆な決断をしたのだけれどチャイムに邪魔されてしまった。
6限目は体育で持久走らしい。笑顔で手を振る聖夜に此方も手を振り返して、あぁ癒された。思わず顔が緩む。
心が浄化された気がする。
6限目の持久走は行くことにしようかな。だから5限目は6限目のために仮眠することにしよう。
ゴロンと寝転べば聖夜のことを思い出して笑ってしまって、幸せいっぱいな気分のまま眠りにつくのだ。
今日も天気が良くて風が気持ちよくて平和だ。
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