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友達から始めましょうか? 6(創side)
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聖夜にカッコ良いところを見せよう。気合は十分。体調も先ほど仮眠をしたこともあって完璧と言える。もちろん目指すは1番。
教師の笛の音で一斉にスタート。ほとんどの人が軽くならす程度に走っているけど、やはり本気で走っている人もいる。運動部の者だ。帰宅部である創が先頭集団に入っているということを誰が想像しただろうか。寧ろぶっちぎっている。
だが、速いのが1人いる。誰かは分からない。名前は知らないけれど、とにかく速い。
体格もそれなりに良くて、絶対運動部だ。
体を動かすことに関して誰かに負けるなんてことが聖夜の前だというのに起こってしまう。
結局最初から最後まで彼は1番で、誰も彼には敵わなかった。
短髪で身長は180は優に超えているだろう。彼は一体何者なのだろうか。いや、そんなことよりも今は聖夜だ。
褒めてもらえる、幻の耳と尻尾を出現させて左右にゆらゆら揺らす。寧ろ褒めろとでも言うかのような得意げな顔をして聖夜の元に急ぎ足で向かって、頭撫でてもらえたりするのかな…なんて考えてはにやけてしまう。
それくらい楽しみにしていたのに。
戻ってきてみれば友人達とワイワイ楽しく話をしているではないか。見ていなかったことは明確で、そりゃイラつきもするだろう。
心の中では平静を保つんだと脳が指示を出しているのだけれど顔には出てしまっていたようで、苦笑いの聖夜と怯えたように瞳を揺らすオン眉と聖夜の方に顔を半分隠しているチビ眼鏡。
そこまで怖がられるとこちらも傷つくというもので、だがまぁいい。1つ1つの事柄に怒っていてはキリがない。
ぶっきらぼうに3人に準備体操をしておくように言って自分はその場に座って、なんだか一気に萎えた。やる気も元気も無くなってしまった。
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