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日常と言う名の特別な日。8(創side)
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分かってはいたけれどやはり聖夜と一緒にグループを組んだのは楓、海、若葉、綾人の4人だ。
4人で楽しげに話しをしていたのだけれど、俺たちが近づいて行けばそれに気づいて笑顔を向けてくれる。
『聖夜氏ぃー!僕キャンプのリーダーに立候補するっぽい!』
『あははッ!さっきからグッさんず〜っとこんなこと言うとるんやにー?グッさんちゃんと先生の話聞いたり皆んなまとめたりできるん?』
『やればできる子だもんっ!ねっ、綾人氏もそう思うでしょ?』
『えっ……あ……んー………ノーコメントで…』
『あははッ!リンちゃんもこー言っとるし、やっぱりリーダーは花やんやにー!』
『えっ、俺?』
こう言っては悪いが、たしかにこのメガネにリーダーが務まるとは思えない。生徒会長でもあるし、やはり聖夜が安定しているだろう。
まぁリーダーと言っても、この仲良しグループを纏める役目だから務まらなと言うことはないだろうけれど、でも重要なことの伝達を確実に行える人が相応しいだろう。
メガネのことをよく知らないから相応しくないとは言い切れない部分はある。それでもここまで考えが及んでしまうのは、どこか頼りになさそうな雰囲気があると言うか、弱々しい印象を受けてしまうからだろう。
人は見た目で判断してはいけないと言うけれど、実際には9割を見た目で判断しているそうではないか。
俺は、と言うか俺も聖夜に1票だ。
けれども聖夜は『やりたい人がやれば良いよ』と断ってしまう。
そうやって人のことを気にかけることができる聖夜にまた惚れてしまった。少し照れたようにはにかんだ横顔なんて写真に残して毎晩眺めたい代物だ。
『創はどう思いますか?』
『へ?』
『リーダー、誰が適任だと思いますか?』
『あー……俺は別に誰でもいーけどなあー…。いや〜、なンつーか…俺はこのグループに入れてもらっちまってる立場だからよー、皆んなに合わせることにすンわー』
特に不思議なことはない適当な判断だと思う。輪の中に"入れてもらっている"身なのだから前に出ることをせずに皆んなに従うと言うことは。
だが何故だろうか。4人の表情があまり良いものと言えないのは。聖夜の顔を見れば苦笑いしていて、一体どこが失言だったと言うのだ。
困惑を隠しきれない創に答えを教えてくれたのは、少し悲しげな表情をしている綾人だ。
『ダメだと思うよ……そう言うの…。自分の意見とか、ちゃんと言わなきゃ。それに……仕方なく入れているわけじゃない。君は友達だから…。聖夜ちゃんと、楓君と、海君の友達…だから、俺と若葉ちゃんの友達だから…。だから、だよ…?』
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