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日々青春。4(創side)
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しかし、もし本当にあの唐揚げがスーパーの特売で買った肉で作られていてあの味になっているとしたら、それは本当にすごいことなのではないだろうか。
『でもよー、マジでうまかったってことは綾人って実はすごかったりすンの?』
『……あ、はじめん知らんのやー』
『え?何が?』
『綾人のお爺様は喫茶店を経営なさっているんですよ。綾人の夢はお爺様の店を継ぐこと。今も毎日料理の勉強をなさっているのでしょう?』
『……うん…』
どうやらやはりあの美味しさは聖夜が食べさせてくれたということ以外に理由があったらしい。と言うことは、あの唐揚げの味は綾人のおじいさんの店の味ということになるのだろう。
なるほど、だから美味しかったのか。いや、もちろん綾人の腕もあっての美味しさなのだけれど、なんだか納得できる理由が聞けてスッキリした。
少し恥ずかしそうにしていたけれどやはり自分の夢のことだ、いつもよりも生き生きと話をし始める。綾人の話をまとめると、こうだ。
綾人のお爺さんが経営している店"喫茶小鳥"は近所の人たちの憩いの場となっているらしい。俺は知らなかったけど、そこそこ有名店のようだ。
綾人には兄が居て兄と一緒に店を継ぐことが夢のようだ。兄はコーヒーソムリエ、綾人は料理人を目指しているようで、今は喫茶小鳥でバイトをして腕を磨いているそうだ。
『じゃあゴールデンウィークもバイト?』
『うん、そうだよ』
若葉の質問に答えた綾人は決して嫌そうではない。本当に好きでやっているということがよく分かる。
そう言えば、他の人達はゴールデンウィーク何をするのだろう。できれば聖夜とデートでもしたいな。映画館に行ったり、遊園地に行ったり、ショッピングしたり、ホテルに行ったり……は、置いておいて。
とにかく、せっかく1週間も休みがあるのだ、1日くらいは予定がない日もあるだろう。是非とも聖夜独占デーを設けたい。
が、慌てるな。まずは慎重に海あたりから聞いてみよう。最初から聖夜に聞いたりして周りに『あれ?こいつもしかして?』と勘付かれでもしたら困るのだ。
『そーいや皆んなはゴールデンウィーク何するんだァ?海は何かあンのか?』
『ウチは部活やなぁ〜。合宿があるから丸々部活やー!』
『へぇ〜、何部なんだ?』
『バスケ部』
『創氏知らないの?ウチのバスケ部全国で優勝目指すくらい強い系だよ?』
『マジかよ!?ンじゃあ、海めちゃくちゃうめーンじゃん!』
そりゃ持久走も敵わないわ。海が運動部ということは想像できていて、さらにはゴールデンウィークは部活だろうということもなんとなくわかっていたけれど、まさかそんな強豪校だとは思わなかった。
どうやら毎日サボって屋上登校していたおかげでこの学校の情勢についていけていないようだ。
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