アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
日々青春。5(創side)
-
綾人はバイトで海は部活ときた。ゴールデンウィークなんて期待させるような名前が付いている割には皆んな忙しく、実際にはいつも以上に休みのないただの忙しい週間と化している。
『皆んなゴールデンウィーク忙しいんだなぁ〜。楓や若葉もなンか予定あンの?』
『私はお稽古と家の手伝いですね』
へぇ〜、お稽古と家の手伝いか。お稽古?それはあれか、子供が才能を伸ばすために通わされる通称"習い事"というやつか。
高校生になってもまだ続けているなんて珍しいのではないだろうか。大概が中学に上がる時、もしくは高校に上がる時に辞めるものだと思っていた。
それから、家の手伝いだそうだ。綾人のように店でもやっているのだろうか。
まだまだ知らないことばかりで、質問ばかりしてしまうのが少し申し訳ない。と、思っていた気持ちを感じ取ってくれたのか、それともただ言いたかったのかは知らないけれど海が得意げに話し始める。
『かえっちーはなぁ〜、剣道に柔道に空手、あと華道と習字と舞踊をやっとるんやに〜』
『海、琴もですよ』
『えっ、そンなにやってンの?じゃああれか、帰宅部か?』
『いえ、茶道部です』
一体どれだけやっているんだ。月謝だけでもかなりかかりそうだ。
金持ちだとは思っていたけれど、想像以上に金をかけられていたらしい。
それに何より、そんな多忙な生活を涼しい顔でこなしているという事実が1番の驚きだ。俺だったら1日と持たない自信があるぞ。
なんだか今は楓の横顔がいつもよりも格好良く見えた。
『金持ちだとは思ってたけどよー、俺の想像超えてる気ィすンわー』
『えっ、ちょっと待って。鈴野君もしかして知らないの?』
『えっ、もしかして俺またついていけてねー感じ?』
聖夜の苦笑の表情に顔を向けることができない。なんだか知らないことが恥ずかしく思えてきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 44