アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
転入しますがお気になさらず。10
-
生徒会。
本来は生徒全員を指す単語だが、生徒会役員会の略称としてしばしば用いられる単語でもある、と認識している。
状況からして後者だろう。
学園内の問題解決や、行事の計画、開催などを行う最高執行機関だったはずだ。
食堂にいらしたというだけでこうもキャアキャアと騒がれるようなものだったのか。
甲高い女子のような歓声だけでなく、野太く男らしいものも聞こえる。
広い層に慕われているようだ。
「おい、立てるか?」
「っはい。ちょっとびっくりしただけです」
「...。部屋、戻ろーぜ」
まだ生徒達の声に脳をガンガンと殴られているみたいだが、不慣れだと悟られないよう即座に立ち上がった。
そのままさっさと食堂を去れたらよかったのだが......
「深角君!」
......呼び止められてしまった。
薫先輩のお声だ。
途端に歓声が止み、先輩に注目が集まる。
「薫先輩!先程はありがとうございました」
「いいえ。もう昼食は済ませたんですか?」
「はい」
「そうですか。ではそのうち、ご一緒しませんか?」
「はい、俺で良ければーーー」
「なるほどな。こういうことだったか」
にやついた声と共に、薫先輩の後ろから他の役員方もぞろぞろといらっしゃった。
「やっぱりね。だから言ったじゃん」
「よっぽど転入生を気に入ったんじゃないかってさ」
「「ねー」」
「行くときは怒ってたのに帰ってきたら機嫌良くなってるからまさかとは思ったけど、へぇ〜薫チャンがねぇ〜」
「.........」
黒髪の凛とした男。
少し小柄な息の合った男二人。
ぬるい空気を纏った男。
髪を結った寡黙そうな男。
なかなかに個性的なメンツだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 25