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2回目(3)
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『あっ…あん…気持ちい…っ』
『もっと激しく?』
『うん…もっとぉ…ああっ!』
画面の中で繰り広げられる、他の男同士の絡む姿…
どうしてこうなった⁉︎
せめてもの救いは、タチ役が龍二さんじゃなかった事。もしそうだったら笑い事じゃないけど、なにが悲しくて彼氏と一緒にゲイDVD鑑賞会をしないといけないんだ!
「なぁ、もう消そう」
「……」
浅野は、俺の制止を無視して、無言で画面を見つめてる…
俺以外の他の男の子が喘ぐ姿を観てる。
俺より若いし、俺より可愛いユウキ君を観て、浅野はどんな事考えながら、目の前の光景を観てるんだろうか?
そう思ったら、なんだか悲しくなって来た…
「嫌だって言ってんのに…バカ!アホ!」
俺は、クッションを握りしめて浅野をバシバシと何度も叩いた。
「ちょっ…おい!悪かったよ、ごめん…」
ーグイッー
浅野の手がクッションを握る俺の手を掴み、胸の中に引き寄せられた。
「っ…謝るぐらいなら、なんで観るんだよ」
「お前がどんなの観てんのか、とか…早く理解しようとして焦り過ぎた…ごめん」
浅野は俺のすぐ耳元に顔を寄せると、しゅん…と、落ち込んだ声でそう呟いた。
「もういいよ…」
こんな事をした理由が俺の事、知りたい、理解したいって思ってくれたからなんだと思ったら、あんなに嫌だったのに、急に浅野の事が可愛く思えて来た。
「そんなに嫌だったのか?」
それは…
「だって…このDVDくれた人が言ってたんだ…ネコは犯られてる子に自分の姿を重ねて想像しながら観るけど、タチは単純に犯られてる子の映像とか、声で興奮する奴が多いって…だから…その…」
「嫉妬したのか?」
その通りだよバカヤロー。
素直に認めるのが悔しくて、無言でいると…
「篠原は、これ観た時、自分が犯られてる所想像しながら観たんだろ?それってさ…相手誰?」
浅野は俺の反応を伺うようにそう問いかけた。
そんなの…決まってるだろ。
「っ…お前以外に誰が居るんだよ」
俺が絞り出すようにそう呟くと、浅野は俺の顔を真っ直ぐ見つめて…
「想像じゃ、無くしてやろうか?」
唇が触れそうなぐらい、顔を近付けてそう言った。
触れそうで触れない、もどかしい距離…
「浅野…」
ーチュ…ー
堪えきれずに、俺が浅野の唇に啄ばむように小さくキスをしてすぐに唇を離すと、浅野の唇が追いかけて来て、俺の唇に重なった。
「ん…っ」
軽いキスが、次第に深くなり、舌先がゆっくりと唇をなぞる。
俺も舌を出して、浅野の舌先をペロリと舐めると、浅野が小さく笑って俺の口の中へ舌を差し込んで来た。
「んんっ…」
ぼんやりとテレビに目を向けると、シーンが変わり、二回目のSEXに突入した場面で…映像の中の二人もキスを繰り返している所だった。
浅野と付き合う前は、こんな風に、浅野にキスされたいな…とか思って観てたけど、今は…
俺達のキスの方が、もっと気持ちいい、とか、俺達のキスの方がが本物の恋人同士のキスだ。とか、思いながら観てしまう。
それは、ふつふつと湧いてくる対抗心…
当然キスは激しくなって行く。ピッタリと口を塞いで、お互いの舌を滅茶苦茶に絡め合うと、唾液が喉を伝った。
「はぁ…んぅ…っ」
抱き合ったまま背中に回された浅野の腕が、俺の身体を浅野の膝の上に跨らせ、浅野を見下ろす体勢にされる。
俺の唇を離れた浅野の唇が、俺の首筋をツツー…と、滑れば、ゾクゾクと快感が走った。
「っ…」
「ココ、跡付けていいか?」
浅野の指先が、なぞったのはワイシャツからギリギリ見えない所。月曜日には消えるかな?と、少し考えて、こくりと頷くと、浅野の唇がキュッときつく吸い付いた。
「いッ…」
痛みが走り、思わずギュと目を閉じて、再び目を開けると、嬉しそうな顔で浅野が俺を見つめていた。
「綺麗に付いた」
そう言いながら、浅野の手が俺の頬を撫でて唇を合わせようとすると…
『あぁーん♡』
流しっぱなしのDVDから、甘ったるくわざとらしい喘ぎ声が聞こえて来て、俺達は思わず、笑い合った。
「ぷっ…」
「はは…やっぱり邪魔だなコレ」
浅野はテーブルの上のリモコンを取ると、停止ボタンを押し電源を切った。
ープツンー
画面が真っ暗になり、部屋が静かになる。聞こえるのは二人の息遣いだけ…
「篠原はもう俺の物なんだから、こんな物観なくたって、俺がお前のして欲しい事、全部叶えてやる」
ギシ…と音を立て、俺の身体はゆっくりとソファーに沈んだ。
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