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変化 side鈴
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side鈴
結は困惑した表情を見せることが増えた
幼い頃の虐待だって、体を売っていたことだって精神的にはかなり参っていたと思う
けれど今までそれをあまり感じさせなかったのはその感覚が麻痺していたというか、考えないように、思い出さないように、蓋をしてきたからだと思う
だからこうして、結が辛くなっているということはその事と向き合い始められたという良い兆しなのだろう
けれど、その事でかなり感覚が敏感になってしまっていて元々得意ではなった食事や睡眠はもちろん、調理中に出す包丁や熱いお湯、テレビにも怖がるようになってしまって見ていて本当に可哀相で、どうしたら心を楽にしてあげられるだろうと、いつも考えていた
けれど、考えるだけでは駄目で、前回と同じ過ちは繰り返さない様に点滴の提案をしたり、結が怖がるようなものは極力見えないように角度を変えたり、テレビも見るときは一緒に見るようにしていた
膝の上に乗せた結は驚くほど軽くて、体温も低い。
温めるようにぎゅっ。と抱きしめて腕の中の儚い子に話しかける
「いきつけの病院とかあった?」
「…ない、と思う」
「じゃあ俺のおすすめの所に行こっか!」
病院におすすめがあるというのも変な感じがするけれど、小さな病院で優しい人が運営している場所を知っている
「緊張しなくても大丈夫だからね」
よしよし。と撫でればいつもの要領で手を払われてしまって、それが可愛いなと思ってしまう
結を膝に乗せたまま病院に電話をかければ、直ぐに予約が取れていつでもいいよ。と言ってくれた
電話を切り結に話しかける
「直ぐに行けそう?」
こく。と頷いたのをみてから用意して家を出た
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