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思い
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部屋の中を何をする訳でもなくうろうろして時間を潰す
そろそろ寝たかな?
音がたたないように静かに寝室の扉を開けた
「…ちゃんと寝た?」
すごく小さな声で鈴のそばに行く
「…寝てますか」
「…」
うん。寝てる。
「…いってきます」
布団の上に出ていた手に少し触れた
この気持ちは何だろう。
ここから離れたくないような、止めてほしいような…よくわからない気持ち
でも直ぐに、俺が行くって言ったのに止めてほしいってなんだよと思い直す
自嘲的な笑いが出て手を離した
寝室から出るのも、家を出るのも、鈴を起こさないように静かに静かに音をたてないようにした
カチャ。とドアの閉まった音がして、ほぅ。とひとまず安心する
鈴は起きてこないようだし静かに出れた。
そして鈴が起きる前に家に帰れば、何も無かったことになってこの事もいつかは忘れる
とぼとぼと歩いていると街の灯が近づいてきて、この景色も久しぶりだと感じた
「やっと来たー」
「…あ、本当に来たんだ」
「待たせといて何その言い方」
ガシッ。と肩を組まれ身体がよろめく
「今日はあそこのホテルね」
ほら。と指を指され軽い目眩がした
「…趣味わる」
そんな言葉はもちろん相手に届かない
「君さ突然ここから居なくなったじゃん?
割と哀しんでる人多いって知ってた?」
知らない。
俺ってそんな需要ないでしょ。
「ほら、早く行こ」
お前が勝手に話しかけてきたんだろ。そんな言葉を喉の奥に閉まってされるがままにホテルに入った
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